西野監督どしゃ降りなのに到着即練習…選手から悲鳴

土砂降りの中、急きょ練習した日本代表(撮影・小杉舞)

 【ゼーフェルト(オーストリア)2日(日本時間3日)】サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場する日本代表が、事前合宿地で史上最速の始動をみせた。成田空港から約15時間の長旅を経て、インスブルック郊外の同地に到着。宿舎入りから約30分後には練習場へ移動し、どしゃ降りの雨の中、予定になかったランニングを行った。約35分間のサプライズ練習にも、西野朗監督(63)は「予定通り。(自身の)頭にはあった」とらしさ全開だった。

 雨が激しく打ちつける中、選手が続々と屋外に出てきた。ドイツ経由で約15時間の長旅を終え、30分前に宿舎へ入ったばかり。そこからバスで約5分の場所にある、地元アマチュアクラブの練習場に25人全員が予告なしで現れた。どしゃ降りもお構いなし。約35分間、ランニングやストレッチなどで体をほぐした。

 当初の予定では練習は3日からだった。代表スタッフも知らされていなかったが、西野監督は「予定通りですよ」。自身の頭の中にだけプランを描いていた。雨中、ランニングを続ける選手も「まだ走るの!?」。こう驚くいきなりの練習で、予定より早い「初日」からムチを入れた。

 2日は時間の融通が多少利くチャーター機とバスで合宿地入り。指揮官は、経由地のミュンヘン空港で「(状態を)上げなければいけないところもある。スイス戦(8日)までの1週間は、インテンシティ(強度)を上げてやることになると思う」と話していた。

 その言葉通り、体を動かすだけのリカバリーで貴重な1日を消化するのではなく、移動日だった「0日目」も練習の強度アップに努めたかった模様だ。就任2カ月に満たない西野監督にとっては、本番まで1分1秒も無駄にできない。サプライズ練習により、実質初日の3日から、負荷をかけた練習を行える利点がある。

 かつて、06年9月には、オシムジャパン初の海外遠征で、サウジアラビアに到着した後、宿舎へ寄らないまま、深夜に約80分間練習したことがあった。今回は宿舎にこそ寄ったものの、荷物を運び、移動用の公式スーツから練習着に着替える程度の時間しか与えず、練習に入った。リゾート地のゼーフェルトでリラックスするだけでなく“100%でいけよ”というアキラ監督のメッセージは、十分に選手にも伝わったはずだ。

 練習後、雨が上がり空に虹が架かった。まるで、試練の後には明るい未来が待っている-、そう物語っているかのようだ。西野ジャパンもW杯本番で勝利を彩ることができるのか。勝負の事前合宿になる。【小杉舞】