「存在が悪夢」のイニエスタ、得意技は「コロッケ」

欧州CL準々決勝第1戦ローマ戦で イニエスタがパスを通した本数

 10年大会以来2度目のV奪還を目指す「無敵艦隊」スペインは、日本時間の16日午前3時にポルトガルとの初戦を迎える。開幕前日の監督解任劇に見舞われる中、期待がかかるのが、ワールドカップ(W杯)後に神戸に合流するMFアンドレス・イニエスタ(34)だ。

 イニエスタの持ち味は、敵に囲まれても奪われないキープ力、針の穴を通すようなピンポイントのラストパスや、平面ではなく立体で捉えること事のできるゲームビジョン、味方とのコンビネーションプレーだ。今季の欧州CL準々決勝第1戦ローマ戦では、パス60本中55本(92%)を成功。特に左サイドバックのアルバには最多18本のパスを通し、好機を演出した。

 自ら突破もでき、ボールが足に吸い付くかのようなドリブルを見せる。「イニエスタが相手にいること自体が悪夢」と相手選手が恐れを抱くほど。得意とするのは「croqueta(コロッケ)」と呼ばれるフェイントで、真横にボールを動かしてからすぐさま逆足で縦に出し、相手を抜く。「コロッケ」の由来は不明だが、食べ物にしろ、プレーにしろ、どちらもサクッとかわす(揚げる)ことで完成するものだ。ちなみに10年大会決勝では優勝決定弾を放った。(山本孔一通信員)