ベルギーFWルカク、マラドーナに並ぶ2戦連続2発

前半2点目のゴールを決めたルカク(左)(ロイター)

<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:ベルギー5-2チュニジア>◇1次リーグG組◇23日◇モスクワ・スパルタク

 ベルギーがFWルカク(25=マンチェスター・ユナイテッド)の2戦連続2発などでチュニジアに5-2と大勝し、2大会連続で1次リーグ突破に大きく前進した。ワールドカップ(W杯)の2戦連続2発は、86年メキシコ大会のアルゼンチンMFマラドーナ以来32年ぶり。ルカクは2戦4発で、ポルトガルFWロナルドに並び、今大会得点ランク1位タイに浮上。背番号「10」のE・アザールも2点を挙げ、「赤い悪魔」の役者がそろって躍動した。

 初戦のパナマ戦で2得点を挙げたルカクの勢いが止まらない。1-0で迎えた前半16分、FWメルテンスのスルーパスに抜け出し左足でネットを揺らす。前半ロスタイムにも、右ウイングバックのムニエ(26=パリサンジェルマン)のスルーパスに抜け出し、今度は右足で決めた。4-1とした後半14分にお役御免でベンチに下がり、ハットトリックはならなかったが、ポルトガルFWロナルドと並び、今大会の得点ランキング1位となった。

 W杯での2戦連続2発はマラドーナ以来32年ぶり。ベルギー代表としても、02年のW杯日韓大会の日本戦で得点を決めたことで知られるFWウィルモッツと並び、歴代1位タイとなった。マルティネス監督は「彼はゴールに貪欲。ゴール前では正しいポジションを取り、自信を持って冷静にプレーしていた」とたたえた。

 背番号「10」のE・アザール(27=チェルシー)、途中出場のFWバチュアイも決め、ベルギーとしてW杯最多となる5得点で圧勝した。それでも指揮官は、前半に2-0から1点を返されたことを挙げ「もっと改善しなくてはいけない。もっとゲームをコントロールしなければならなかった」と課題を掲げた。

 ベルギーは02年の日韓大会でベスト16に入った後、W杯、欧州選手権と出場権を逃すなど一時低迷した。危機感を抱いた同国サッカー協会は、育成に目を向け、隣国のオランダやフランスの育成システムを学んだ。ルカク、E・アザールは、その育成から生まれた逸材。W杯での最高位は86年の4位。「赤い悪魔」の歴史を塗り替える準備は整いつつある。

 ▼W杯2試合連続2得点 ベルギーFWルカクが23日のチュニジア戦で2得点。18日のパナマ戦に続いての2得点となった。W杯で2試合連続2ゴール以上は、86年メキシコ大会でアルゼンチンMFマラドーナが準々決勝イングランド戦、準決勝ベルギー戦(ともに2点)でマークして以来、32年ぶりの快記録。マラドーナは大会5得点で、得点王になったイングランドFWリネカー(6得点)に次ぐ2位だったが、チームは最終的に優勝した。ちなみに、リネカーも86年大会の1次リーグ最終ポーランド戦で3点、決勝トーナメント1回戦パラグアイ戦で2点と、2試合連続2ゴール以上を達成している。