「次期監督は誰?」代表慰労会で選手が田嶋会長直撃

18年5月26日、ガーナ戦に向けた練習で指示を出す西野監督(右)と森保コーチ

 ワールドカップ(W杯)ロシア大会を戦った日本代表の全選手、スタッフらが5日、東京都内の焼き肉店で慰労会を行った。日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)は店の一角で、A代表コーチでU-21日本代表の森保一監督(49)と個別に会談。選手たちから冗談まじりに、田嶋会長に対して次期監督が誰なのか探りを入れる声が相次いだ。

 その空間だけは、違う時間が流れていた。協会スタッフや選手らの目撃情報によると、慰労会が盛り上がっている最中、田嶋会長が森保監督のテーブルにスッと席を移した。笑顔の会釈の後、会話が始まった。時には真剣な顔になりながら、主に田嶋会長が会話をリードしていたという。

 1カ月の長丁場を終え、決勝トーナメント進出の一定の成果を残しての慰労会。長谷部、本田らが代表引退を宣言し、この面々で集まるのは、最後かもしれない。その思いもあって、全員が最後を惜しみ、楽しんだ。一方で、サッカーファン以外も気にしている次期日本代表監督の人選が、選手も気になったようだ。

 何人もの選手が、次期監督候補として報じられている個人名を挙げながら、田嶋会長に近づいた。「西野さんを止めないんですか?」「森保さんがやるんですか?」「クリンスマン来るんすか?」「ベンゲルさんですか?」などなど、軽いタッチで質問攻め。これに田嶋会長は「まあ、やるのは君たちだから」とごまかしたという。

 約50人が集まり、午後7時から始まった宴会は10時半にお開きとなった。3時間半、選手やスタッフらが酒を片手にテーブルを次々と移りながら、なごやかな雰囲気で盛り上がった。そんな中、森保監督と話していた田嶋会長は「んじゃ、またな」と一声かけて、席を立ったという。

 次期日本代表監督として、田嶋会長は大会前から「日本人でやりたい」と明言してきた。言葉通り、ベルギー戦の翌日(3日)には、西野監督に続投要請したが、断られた。監督人選の際、当然リスクマネジメントをする。最上位の西野監督に断られ、今後は2番手の森保監督を中心に人選が進められる見通し。

 約20分にも及んだ田嶋-森保会談の内容は2人にしか分からない。「東京オリンピック(五輪)、頼むぞ」かもしれない。「どの監督になっても、また補佐よろしく」かもしれないし「家族は元気か」かも。いずれかのタイミングで、田嶋会長が次期日本代表監督と話し込む時期はやってくる。【盧載鎭】