イングランドGK プレミアLが妨げていた育成の道

スウェーデン対イングランド 後半、シュートをセーブしガッツポーズするイングランドGKピックフォード(撮影・江口和貴)

<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:スウェーデン0-2イングランド>◇準々決勝◇7日◇サマラ

 4強が出そろった。イングランドはスウェーデンを2-0で下し、90年イタリア大会以来となる28年ぶりの準決勝進出を果たした。DFマグワイアとMFアリが得点。GKピックフォードがファインセーブを連発し、相手の攻撃を完封した。

<プラス1>

 ロングボールをゴール前に入れ、激しい空中戦で決めるスタイルがイングランド流。対人に強く、高さのあるGKが育つ土壌があった。同国では、GKはストライカー以上に尊敬を集める存在だった。

 しかし「GK重視」が皮肉にも育成を妨げる。各クラブが豊富な資金力を武器に世界中のトップGKを買いあさり、02年大会までの正GKを務めたシーマンが引退後は「正GK」といえる絶対的な存在がいなかった。

 ベスト4チームのうち3チームのGKがプレミアリーグ所属。ワールドカップ(W杯)のゴールは、プレミアリーグが守っている。