バルセロナは8日、前鹿島DF昌子源(26)が移籍した仏1部トゥールーズから、U-20フランス代表DFジャン・クレール・トディボ(19)を獲得すると発表した。

ESPN電子版によると、この移籍に激怒しているのがトゥールーズのオリビエ・サドラン会長。仏レキップ誌のインタビューで「交渉においてバルサは傲慢(ごうまん)で、ビッグクラブらしい格式をまるで見せなかった」と話しているという。

同会長を怒らせたのは、トディボがバルサに加入するのが今年7月1日からで、移籍金が発生しないということ。バルサがあえてこの冬ではなく、トディボとトゥールーズの契約が切れてフリーになるのを待ってから獲得するというのが面白くないらしい。

ルール的にはまったく問題ないが、トゥールーズのような中堅クラブからすれば、せっかく育てた選手を無償で持っていかれるのは痛い。

サドラン会長は「私にとってサッカーとはエコシステム(ビジネス生態系)。それぞれのクラブが役割を果たすものだ。そこにはビッグクラブがあり、若い選手を育てるクラブもある。バルサはビッグクラブの名に恥じない行動ができていない」と話しているという。

トディボは16年にFCレ・リラからトゥールーズに入団。2シーズンを同クラブのBチームで過ごし、昨年8月19日のボルドー戦で仏1部デビューを果たしたばかり。

サドラン会長は「彼はクオリティーの高い選手だが、経験は少ない。代理人が仕事をまっとうしたということなのだろうが、バルサがトディボにとってベストな選択なのだろうか。私はそうは思わない」とチクリ。確かに1ユーロも入ってこないこの移籍について皮肉りたい気持ちも分からないでもない。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)