北中米カリブ海代表パチューカ(メキシコ)のFW本田圭佑(31)がアフリカ王者ウィダド・カサブランカ(モロッコ)を延長の末に1-0で下し、準決勝に進んだ。大会初出場の本田はトップ下で120分間フル出場した。12日(日本時間13日未明)の準決勝では南米覇者のグレミオ(ブラジル)と対戦する。

 PK戦もちらつき始めた延長後半7分、右サイド深くからのクロスをMFグスマンが頭で合わせた。激闘を制し、本田のパチューカが南米王者への挑戦権をつかんだ。本田は前半12分に自陣からドリブルで運ぶと、味方とのパス交換で一気に敵陣内へ進入。攻撃の起点となった。19分にも左足アウトサイドで右サイドの裏スペースへ好パスを供給。延長前半にはGK正面を突いたが、直接FKでゴールを狙うなどチームを引っ張った。

 視聴者が世界180の国・地域に及ぶ今大会。ACミランからメキシコへやってきた本田にとって、世界に再アピールするチャンスだった。自身が実力を最も発揮しやすいと感じているトップ下での出場。後半4分には自ら約20メートルのミドルシュートを狙うなど、積極的にプレーした。

 終盤は中央から位置を変えた。右サイドを主戦場にしているメキシコ同様、ドリブルや自ら持ち込んでのシュートを見せた。FKのキッカーを譲ってダミー役に徹するなど献身的にプレーした一方、「思い切って、どれだけインパクトを残せるかにトライしたい」という自身のテーマには物足りなかった。【岡崎悠利】