ドイツはセルビアとの国際親善試合で1-1の引き分けに終わったが、ここまで静かな代表戦は初めてだと、21日付の独紙ビルトが報じた。

ドイツ・サッカー協会はここ数年間ドイツ代表の試合での観客動員数が伸び悩んでいることから、今後3万人前後の比較的コンパクトなスタジアムで多くの代表戦を行う計画をしているという。空席が目立つ大型スタジアムよりも、満員の観客によるスタジアムの雰囲気の方が望ましいという考えを持っていると報じた。

会場となったウォルフスブルクの本拠地で代表戦が開催されたのは実に16年ぶりだった。だが、次回開催をお勧めできるような雰囲気ではなかったという。収容2万6101席のチケットは完売となったはずのスタジアムだが、試合中はほとんど声援が聞こえずに静かだった。

0-1で折り返したハーフタイムにブーイングが起きるほど。試合後にDFキミヒは「ちょっと驚いた。ファンのみんなが、そろそろ我慢できなくなってきていて、勝利を見たがっているのは理解できる。でも、僕らは今チームを作り変え始めているところで、時間を僕らに与えてくれてもいいのではと思う」と、ファンの対応に苦言を呈した。

熱狂的なファンのいるクラブの試合とは違い、代表戦を見に来る観客はオペラ鑑賞に来るようなものだとビルト紙は指摘している。特別なものを求めてスタジアムに足を運ぶ。雰囲気をよくするための解決策は、いい試合をする以外にない。

チームマネジャーのビアホフ氏は「雰囲気に関してはそこまで気にしていなかった。後半に自分たちがいいアクションをしだしたら、雰囲気も良くなってきたと思う」と話した。(中野吉之伴通信員)