ベシクタシュに所属する日本代表MF香川真司(30)の、トルコでの半年間が幕を閉じた。最終節のカスムパシャ戦に5試合ぶり先発。4-2-3-1システムのトップ下で、左サイドのセルビア代表MFリャイッチらと連係。得点には絡めなかったものの、チームは20歳のトルコ代表FWヤルチンのハットトリックで勝利を収めた。

この試合を最後に、トルコ代表に専念するギュネシュ監督の最終戦でもあったが、既に優勝を逃していたこともあり、スタジアムに空席も目立った一戦。静かに始まり、徐々にベシクタシュ・コールが増えていく展開だったが、香川はチームを回すために下がってパスを受けざるを得ないなど不完全燃焼となった。それでも、後半35分までプレーして退く際には、サポーターから大きな拍手を浴びてベンチへ戻った。

今年1月末にドルトムントから電撃的に期限付き移籍。イスタンブールという世界的都市での生活には満足しつつ、初めてシーズン途中にチームを変える難しさも味わって先発には定着できず。半年間でスタメンは4試合、途中出場10試合の計14試合に出場し、4得点2アシストの成績で終えた。

試合後はロッカールームで解散となったため、香川は取材エリアに姿を見せなかった。

ベシクタシュは、優勝を日本代表DF長友佑都のガラタサライに譲ったが、この日の勝利で来季の欧州リーグ出場権は獲得した。試合後、サポーターは帰ることなく場内に残り、ギュネシュ監督や選手に向けて応援歌を響かせた。ギュネシ監督が再びピッチに登場すると、お決まりの3拍子でねぎらった。選手も監督のそばに行って1人ずつ抱き合い、別れのあいさつをかわしてシーズンを締めくくった。

ギュネシュ監督は会見で「今シーズン、勝利で始まり、勝利で終えることができて良かった。良い時も悪い時もあり、我々には大きな物語があった。今まで応援してくれたことに感謝している。最後の3日間は、このベシクタシュを離れなければならないと思うと本当につらかった」と悲しさ、寂しさを口にして最後の言葉とした。(オルムシュ由香通信員)