【ワシントン(米国)21日(日本時間22日)=岡崎悠利】日本代表FW久保建英(18)の所属するレアル・マドリードは、インターナショナルチャンピオンズ杯第2戦のアーセナル戦(24日=日本時間25日)が行われるワシントンへ移動し、練習を行った。ウェールズ代表FWガレス・ベールの退団が決定的となる中、ブラジル代表FWネイマール(パリサンジェルマン)の加入話が浮上。ネイマール獲得が実現すれば、外国人枠という視点からも久保への影響は大きくなりそうだ。

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日本人で初めてRマドリードのトップチームで試合に出場してから一夜明け、ワシントンで練習場に姿を見せた久保の表情は変わらずひょうひょうとしていた。公開された冒頭の約20分ではチームメートと談笑しながらランニング。2組に分かれてのミニゲームではフランス代表DFバラン、スペイン代表FWアセンシオらとともに、軽やかにパスをさばいた。

Bミュンヘン戦でのプレーに称賛の声が上がったが、自身のインスタグラムには「まだまだこれから」と投稿し、気持ちを新たにした。そんな中、かねてうわさされたブラジル代表FWネイマールが加入する可能性が出てきたと、英インディペンデントなどが報じた。パリサンジェルマンに対し、退団が決定的なFWベールに金銭を加えたトレードを提案するという。銀河系軍団ならではの大型交渉となりそうだ。

実現すれば、18歳にとって強大な壁になる。ベールと決定的に違うのは、ネイマールが久保と同じ外国枠の選手であること。スペイン1部では、外国枠の登録は3人までという制限がある。ウルグアイ代表MFバルベルデがEU圏内との二重国籍を取得する予定であるが、MFミリトンとFWビニシウス、そして久保と同じ18歳FWロドリゴと3人のブラジル人選手がいる。誰か1人がレンタル移籍となれば久保にチャンスが巡ってくるところだが、ネイマール加入となれば事情は変わってくる。

世界最高の選手を次々と集めるレアルにあって、進む道は困難を極めることに変わりはない。一方で競争を勝ち抜きネイマールとの共闘となれば、まさに夢が現実となるような話だ。そんな周囲の雑音もどこ吹く風の久保は「周りがなんと言おうと焦らずに、上がっていければいい」。トップ昇格へ高まる一方の期待の中、冷静に自身の現在地を見定めている。