ハノーバーの日本代表MF原口元気(28)が値千金の決勝ゴールを奪った。

ダブルボランチの一角で先発した「背番号10」の原口は後半11分、左サイドを縦に突破してCKを獲得。同14分にシュテンデラが投入されると、ボランチからポジションを上げインサイドハーフに入った。

すると、2-2の同点で迎えた終了間際の後半45分、ゴール前へのロングボールをFWバイダントが頭で落とし、原口が倒れ込みながら左足でゴール。今季2点目。原口の2試合ぶりの得点は、チームを今季ホーム初勝利に導く決勝点となった。

「ホームでやっと勝った(笑い)。自分で(決勝点を)決めれたし、最後。今日はあんまり、自分的に感覚が良くなかったというか。自分もそんなに絡めてなかったんだけど、だからあえて『1本取らなきゃな』っていう感じでやってて。でも、かといって全部行けるわけじゃないから、ポジション的に。どっか1本来ないかなと思ってプレーしてた。それが最後うまく、ヤマが当たったというか。ヘンネ(バイダント)に入るタイミングで、あそこのスペース空いてたんで、「走ったら来るかな?」と思ってたら、本当に来たって感じ」

この3試合で2得点。くしくも少し下がり目のポジションで出た時に限って結果が出ている。これについて、原口はこう持論を展開した。

「たぶんねえ…たぶん、ハリルさんが考えていたような感じだと思う。自分が、初速が速いっていうよりも、長い距離を走った時に良さが出るっていうのを、今の監督もなんとなく分かってて、で、2列目とか3列目から上がった時に良さが出るっていうのを分かってくれてるから。で、俺もそれで良い感じでできてるから。(自分は)初速でグイっていくタイプではないなって改めて思う。前にいてボールが入ったとしてもキツいしね。たくさんボール触れたほうが面白いっていうのもあるし。後ろのポジションでも、こうやって得点に絡めたら面白い。こういうプレーを増やしていきたいな」

原口の活躍でチームも今季初の連勝となった。原口は決勝点に喜びを爆発させ、ゴール裏の看板を跳び越えてサポーターのもとへと駆け寄った。

「越えるよね。サポーターも気合入ってたでしょ。ただ、まあこれ、一つ形になったのデカいよ。今までも、ダルムシュタット戦もこういう展開だったのに(点を)取り切れなくて負けて。でも、形になってきた。監督変わってから、まあダルムシュタット戦は不運な負けだったけど、なんていうんだろ? ちょっとずつ良くなってきて、ホームの試合はボールを持てるようになってきてるかなっていう感じはする」

ハノーバーは今季5勝5分6敗の勝ち点20の12位。首位のビーレフェルト(勝ち点33)、2位ハンブルガーSV(同29)が上位に立っており、1部自動昇格圏内(2位)まで勝ち点9差。1部昇格圏内(プレーオフ進出)の3位ハイデンハイム(同26)まで勝ち点6差だけに、原口の活躍とともに今後の巻き返しが期待される。(鈴木智貴通信員)