フランクフルト(ドイツ)FW鎌田大地はトップ下で先発し、チーム2点目のゴールを決めた。

1-1で迎えた前半38分、左サイドからの鋭いグラウンダーのクロスに対して、ニアサイドでパシエンシアがうまくつぶれた後ろから飛び出し、フリーで右足で合わせた。

後半はチーム全体の動きが悪くなったことから、鎌田はボールに触る機会が減った。中盤からドリブルで持ち運びパスを展開する場面もあるが、チャンスになかなかつながらない。ガチノビッチがシルバと交代で出場してからは、鎌田はFWの位置に入った。スペースに顔を出してボールを落ち着けようとしたが、後半はチャンスを作り出したり、からむことができない。

逆に後半40分、42分と立て続けに失点し、まさかの2-3で逆転負け。アーセナル(イングランド)とスタンダール(ベルギー)が2-2で引き分けたため、2位での決勝トーナメント進出が決まった。

アーセナルが2点のビハインドから追いついたことで、1次リーグ2位が決まった。フル出場となった鎌田はまず「上に上がれたことはプラスにとらえないとダメですけど、ほかの会場の結果は僕は終わるまで知らなかったんですけど、勝っておけば1位通過だったので、すごいもったいない試合だなと思います」と振り返った。

得点シーンについては「うまく前がつぶれてくれて、FWがね。常にああいうゴールは狙っていますけど、こう今までやってきたからこそ、今日取れて、続けていけたらいいかなと思いますけど」。

前節のアーセナル戦に続く欧州リーグ2試合連発で3得点目をマーク。「まあ、たまたまです」と謙遜し「うちはコスティッチとか、ダコスタもそうですけど、早いタイミングでラフなボールを入れることが多いので、そうなると僕はノーチャンスだけど、ああやってこう、深い位置まで行ってくれれば、僕自身決められる確率もかなり上がると思う」と話した。

トップ下として得点に絡めるMFというのを念頭に置く。「深くサイドの選手が行ったところのマイナスというか、ペナルティースポットに折り返しでこう足元、まあこうボレーだったりヘディングだったりできるのが理想です」。その上で欧州リーグで経験を積んだことで芽生えた自信がある。「アーセナル戦で2点入れてやっぱりこう…僕自身何かを変えたつもりはないですけど、こうやってゴールにすごく近づけて、段々こう、成長できているという感覚はある」と言う。

フランクフルトからは既に契約延長の話が出ている。「結構前というか、夏過ぎから『冬に話そう』とは言われているので。僕自身そんなに焦ってないので、これから考えますけど。そこは代理人とうまく話し合って。でもプレーにね、ほんと集中しないとだめなんで、そこは代理人に任せるって感じですかね」。

この日の試合には敗れたが、鎌田はドイツで確かな足跡を残している。(中野吉之伴通信員)