無観客でもシーズン消化を 欧州各リーグ厳しい財政

国際サッカー連盟(FIFA)が定める規定で、「無観客試合」はタイトル剥奪などと並んで懲戒処分の1つに位置付けられている。サッカー界ではサポーターの暴動などに対する厳罰の側面もある措置だ。しかし、欧州各リーグは財政的な理由から、負のイメージの強い無観客を受け入れてでもシーズンの残りの日程消化を模索している。

新型コロナウイルスは3月に入って欧州でも加速度的に感染が拡大した。最高峰の欧州チャンピオンズリーグ(CL)のほか、イングランドやスペインなど5大リーグも中断に追い込まれた。

ドイツでは、このままリーグが再開しなければ、総額でおよそ7億5000万ユーロ(約900億円)の減収になるという。収入の大部分を支えているのが、放送権料だ。同リーグのザイフェルト社長は「無観客試合を考慮に入れなければ、生き残れるクラブは(1、2部合計36クラブのうち)20クラブもないだろう」と、危機感を募らせている。

26日には欧州CLに出場しているバイエルン・ミュンヘンやライプチヒなど財政的に余裕のある4クラブが他クラブのために計2000万ユーロ(約24億円)の拠出を表明。しかし、減収の総額分には遠く及ばず、シーズン成立へ向けて再開の可能性を探っている。

プレミアリーグは3年総額92億ポンド(約1兆2000億円)とされる巨額の放送権料に支えられている。シーズンの約4分の1にあたる残り試合を実施できなければ、契約不履行による賠償金が発生するリスクも指摘される。

今季を終わらせるためには無観客も辞さず、6月1日の再開を目指すとの報道もあるが、タイムズ紙は「7億6200万ポンド(約1000億円)の損害を避けるためだけの案に見える」と批判する。無観客試合でも会場に救急隊員を配備する必要はある。そのため同紙は病院の人手不足が深刻化している状況で再開を急ぐのは「無責任」で、リーグのイメージ低下にもつながると切り捨てた。