バルセロナに所属するフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマン(29)は、今夏の退団はないとスペイン紙マルカが5日に報じている。

新型コロナウイルスの影響を受けてリーグ戦が延期したことに伴い、クラブは選手への給与削減を行うなど経営面で大きな打撃を受けている。そのため、今夏の移籍市場で資金を捻出するために、グリーズマンが退団すると多くのメディアが報じていた。

グリーズマンは昨年夏、バルセロナが1億2000万ユーロ(約144億円)と莫大(ばくだい)な契約解除金をAマドリードに支払い、2024年6月までの5年契約を結んだ。しかし、今季はその金額に見合ったほどの活躍をしておらず、放出候補に入っているという。

しかし、同紙は本人が今夏での退団の意思がなく、クラブも売却および、報道が出ているパリサンジェルマンのFWネイマールやインテルミラノのFWラウタロ・マルティネスら獲得を全く考えていないと伝えている。

その理由として、クラブ首脳陣、コーチ陣、グリーズマンの3者がともに今季がチームにフィットするためのシーズンだったと考えていることが挙げられている。グリーズマンは今季、これまでプレーしていたような中央ではなく、FWメッシやFWスアレスがいるためにサイドにポジションを変える必要があった。さらにシーズン途中で監督が代わり、前線では度重なるけが人が出て一緒にプレーする選手が変わり、簡単なシーズンではなかったことを伝えている。

そんな状況の中でもグリーズマンは今季、公式戦37試合に出場して14得点を記録しており、そこまで悪いわけではない。しかし入団した金額を考慮すると物足りなさが残っているのは事実。クラブは来季に向けて、RソシエダードやAマドリードで見せていたパフォーマンスを取り戻すことに大きな期待を寄せている。

(高橋智行通信員)