DF吉田麻也(31)が所属するサンプドリアは指揮官ベンチ外の緊急事態の中、セリエA残留に向けて前進する勝利をつかんだ。クラウディオ・ラニエリ監督が8日アタランタ戦で退場処分を受け、ベンチ入り禁止となった今節。スタンドから同監督が見守る中、吉田は右センターバックで4戦連続で先発した。前半37分、吉田がヘッドでクリアした際、相手FWラザーニャに強く押され、そのままボールを奪われて先制点を許した。

しかしサンプドリアは前半終了間際にFWクアリャレッラが同点弾、後半39分にFWボナソリ、後半終了間際にFWガッビアーニが追加点を挙げ、逆転勝ちを収めた。吉田がファウルを受けたことをレフェリーに強く抗議し、警告を受けたGKアウデロは「イエローカードのことはおわびする。しかし爪と歯を使ってでも勝利にこだわり、チームメートを鼓舞する必要があった。監督不在で不利な状況であり、勝つことが不可欠だった。チームは生きている。最後まで戦えた」と満足顔だった。

サンプドリアは降格圏となる18位レッチェと勝ち点6差となる勝ち点35に伸ばし、14位に浮上。残り5試合。セリエA残留に向け、次節15日はカリアリと対戦する。ラニエリ監督の代わりにチームを指揮したパオロ・ベネッティコーチは残留争いを繰り広げるウディネーゼから勝利を奪い「このような結果を必要をしていた。セリエA残留という目標への良い1歩です。また順位は改善しているが、目標に向かって集中したい」と気を引き締めていた。