パリ・サンジェルマンが終了間際の2得点で初出場のアタランタに2-1で逆転勝ちし、94-95年以来、25季ぶり2度目の4強入りを果たした。

ブラジル代表FWネイマール(28)が1アシストを含む2ゴールに絡む活躍を見せた。今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)は新型コロナウイルスの影響で準々決勝から一発勝負となり、23日の決勝までリスボンの2会場で観客を入れずに集中開催される。

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何度倒されても最後まであきらめなかった。敗色濃厚の中でネイマールが輝きを放った。0-1の後半45分、左から折り返して同点ゴールをアシストすると、その3分後には途中出場のFWエムバペへのスルーパスで勝ち越しゴールの起点となった。チームを25シーズンぶりの4強に導いたエースは試合後のインタビューで「負けて家に帰ることなど考えていなかった。準決勝に進むことしか頭になかった」と言った。

主力不在の中、孤軍奮闘の活躍でチームの攻撃を引っ張った。MFディマリアが出場停止、右足首を負傷していたエムバペもベンチスタートで、試合序盤からマークが集中した。「相手は非常にアグレッシブだった」と両チーム最多9回のファウルを受けた。それでも冷静さは失わず、得意の足技で相手DFを翻弄(ほんろう)した。

前半3分に鮮やかな連係からGKと1対1となる絶好機をつくった。同28分には巧みな股抜きからドリブルで中に切れ込みミドルシュートを放つなど、何度も見せ場をつくった。データ配信会社「Opta Joe」によると、ネイマールは16回のドリブルを成功し、欧州CLでは08年のバルセロナFWメッシに並ぶ1試合最多記録となった。

ただ、最後の詰めを欠き、初出場のアタランタ相手に敗退の1歩手前まで追い詰められた。17年に史上最高額の2億2200万ユーロ(約290億円)の移籍金で加入して以降、自身の負傷欠場なども響いて欧州CLでは昨季まで2年連続で16強止まりだった。

だが、この日は「困難な状況になってもあきらめたくなかった」と最後まで集中を切らすことなく、見事に逆転。初の決勝進出に向けては「あと1試合。勝つためなら何でもする」としながらも、最後は「精神的に疲れる試合だった。今は休むつもり」と本音を漏らしていた。