イタリア・セリエAのルイージ・デシエルボCEO(最高経営責任者)は28日、新型コロナウイルスの影響で5億ユーロ(約64億1300万円)以上の収入を失い、イタリアのサッカー界は悲惨な状況にあると警告した。イタリアの州放送局ライのインタビューで、同CEOは「現在、セリエAは5億ユーロ以上を失うという厳しい現実に直面している」と語った。原因は観客制限によるチケット収入減とスポンサー契約の減少の2つを挙げた。

コロナウイルス感染拡大防止策で、イタリア政府はセリエAの観客収容人数を1000人という制限を設けており、リーグ側はスタジアムの収容人数の4分の1まで増加させる提案をしているものの、スポーツイベント全般で観客増の提案は拒否されている。同CEOは「システム全体が崩壊の危機にひんしている」とし、観客収容人数の上限の段階的引き上げを検討するように政府に強く求めた。

チケット収入は、セリエAクラブの年間総収益25億ユーロの約11%で、残りは放映権が占めている。しかし世界中の試合中継局も広告収入の減少に対応している状況で、放映権収入も減っているという。