バルセロナの選手らが、クラブから提案されている新型コロナウイルスの影響による給与の3割減額などについての交渉会議参加を拒否していると19日、スペインのラジオ局カデナ・セルが報じた。

今回の提案はコロナ禍でクラブ収入が激減したことで、トップチームとBチームの選手たち、そしてクラブ職員へ向けられたもの。クラブは21日に行われる給与体系について交渉する代表者会議への参加を求めているが、選手側は拒否。理由として選手はクラブ職員とは置かれている状況が異なり、違う形で給与交渉を行う必要があると考えているためと伝えている。クラブの労働者委員会もその考えを支持しているとのことだ。

バルセロナの年間予算はトップチームの給与総額が約7割を占める一方、クラブ職員はわずか6%となっている。また、トップチームの選手たちは、もし給与削減を受け入れる必要がある場合、それは自分たちであり、クラブ職員ではないという姿勢を明確にしているとのこと。

さらに、間もなく不信任投票が行われるバルトメウ会長を筆頭としたクラブ首脳陣に対し、選手たちが有効な交渉相手と見なしていないことも、代表者会議に出席しない理由に挙げられている。

また先週、トップチームの選手たちが提案された給与3割カットに同意しない旨を、ブロファクス(スペインの内容証明)を通じてクラブに正式通知したことも報じられていた。メンバー24選手のうち、GKテア・シュテーゲン、MFデ・ヨング、DFラングレ、DFデスト、MFピャニッチの5人を除いた全選手がその書面にサインしたという。テア・シュテーゲン、デ・ヨング、ラングレはクラブの提案を受け入れ、新加入のデストとピャニッチは今季少ない給与を受け取り、新型コロナウイルスが終息し、クラブ収入が回復すると予想される来季以降に今季の不足分を受け取る契約を結んでいるとのことだ。

クラブは財政面で新型コロナウイルスの影響を大きく受けており、今季の年間予算が2億300万ユーロ(約253億7500万円)減少し、約8億ユーロ(約1000億円)となっている。

 (高橋智行通信員)