バルセロナのジョゼップ・マリア・バルトメウ会長が26日、クラブ理事会後にメディアの取材に応じた。その模様をスペイン各紙が同日に報じている。

同会長は不信任投票実施が間近に迫る中、その前に辞任の可能性があるとも報じられていた。スペイン政府は新型コロナウイルスの感染拡大により、新たに非常事態宣言を発令したばかり。そのような状況の中、バルセロナの役員たちはカタルーニャ州政府から11月1日と2日に不信任投票を行うことに問題はないと告げられたが、反対に健康被害が出る可能性を主張して投票中止を要請した。

理事会終了後、バルトメウ会長は、「我々が今日決定したことは全て満場一致だ。皆が同じことを考えており、バルサが一番であることを分かっている。我々は引き続き11月1日と2日に不信任投票ができるかどうか、カタルーニャ州政府の回答を待っているところだ」と、カタルーニャ州市民保護機関の許可が下りない限り、不信任投票を行わないことを強調した。

一方、「もし11月1日と2日に投票を行う必要があるという回答を受けた場合、我々はカンプ・ノウで実施することになる。しかし決定的な答えを得られた時に理事会を開く予定だよ」と説明している。

また、これまでに会長職の辞任を考えたことがあるかについては「辞任を考えたことなど全くない」と返答。「今のチームと監督とともに現在と未来に向けた素晴らしいプロジェクトを構築しているところだ。今シーズン、我々はすでに素晴らしいプレーの瞬間を見てきたし、シーズンが終わった時、複数のタイトルを獲得しているはずだ」と辞任の意思が全くないことを明かした。

今夏に起きたFWリオネル・メッシの怒りについては「腹を立てるのは意欲と野心があることを意味するので良いことだよ。結果的に怒りが拡大したんだ。しかし契約の中には期限があったし、その日付が過ぎていた。我々全員が望むのはメッシがカンプ・ノウで引退することだ」と言及した。

そしてさらに、「退団できなかったことで怒りを覚えたことを理解できる。しかし私は彼と彼の家族に、我々が手放すことができないと説明することに努めたよ。クーマンのプロジェクトではメッシが鍵を握っているからね。私は彼が将来、幸せを感じており、バルセロナとの契約を延長し、カンプ・ノウでキャリアを終えたいと言ってくれることを願っている」と希望を述べていた。(高橋智行通信員)