マインツに所属するFW武藤嘉紀(24)は、16年に2度の膝靱帯(じんたい)断裂でほぼ1年を棒に振り、22日のケルン戦でようやく復帰を果たした。独紙ビルトのインタビューで、苦悩の時間、食文化の違い、学生生活について語った。
武藤の一問一答は以下の通り
-16年には2度、膝のオペを受け、6試合しか出場できなかった。ようやくケルン戦で復帰。
すごくホッとしました。負傷後の復帰戦として考えれば、ケルン戦はOK。勝利に導くゴールを決めたかったけど、ケルンの5バックを前にすごく難しかったです。
-どのように苦悩の時間を乗り越えたか
武藤 けがを乗り越えるのは、すごくとても難しかった。2度とも同じ膝。こんなに長く欠場しなきゃいけなかったのは辛かったですね。それでもいつも復帰に向けてのモチベーションを持っていました。
-何がモチベーションになったか
武藤 ファンです。また彼らのためにどうしてもプレーしたかった。それだけでモチベーションとしては十分でした。
-日本であなたはスーパースターの1人。ツイッターのフォロワーは17万8000人もいるとか
武藤 日本で多くのファンがいてくれることをすばらしいと思っています。同じようなことをここドイツでも願っています。ケガで出遅れてしまった。ファンからの認知は僕にとってすごく大事です。ファンに愛されるために全力でプレーしたい。ベストはゴールです。
-今シーズンあとどのくらいのゴールを決めるか
武藤 最低でも7点。2点(欧州リーグを入れると3点)は前半戦に決めました。だから10点にしておきます。でも簡単ではないでしょうね。
-日曜日にはドルトムント戦だが
武藤 ドルトムントは今、ベストの状態ではない。ホームで彼らに勝てるチャンスはある。オフェンスとディフェンスの正しいバランスがあれば、うまくいくと思います。
-欧州の舞台はまだ可能か
武藤 可能な限り早く勝ち点30が必要。そこでそれからが見えてくる。また到達してみたいのは当然です。
-FWコルドバが復帰してくるとマリのポジションでの起用も考えられるが
武藤 僕の長所はどこでもプレーすることができる点。ジョンと僕は特に2トップで一番うまくハマると思います。まだ誰か来るのかはわからない。いい選手が来たらそれはいいこと。でもそのポジションでプレーすることになったら、喜んでそこでプレーする。大事なのはまたゴールを決めること。
-ドイツで暮らすようになって1年半が経った。何を1番恋しく思うか
武藤 食べ物ですね。
-特に何を
武藤 日本では全く違う肉を食べます。もっと柔らかくて薄く切られた肉。日本の魚もすごく食べたくなりますね。
-こっちでよくいく日本の場所は
武藤 フランクフルトのスシモトには奥さんと子供とよく行きます。岡崎さんは昔、マインツのニコニコ亭にいかれていたようですが、僕はスシモトのほうが好きですね。
-ご自身で料理をすることは
武藤 僕はしないです。でも奥さんはすごく上手です。日本では朝、昼、晩としっかり食べるのが普通です。
-3回とも温かいご飯か
武藤 そうです。白いご飯は必ずです。朝はスープやお魚。夜はもう少しがっつりした料理。
-朝にジャムとブレットヒェン(丸形パン)ではなくて
武藤 (笑い)。僕の問題でもありますね。ほとんどご飯ばかりを食べるので。パンはそこまででは。あと(水を)もっと飲むようにと言われるんですけど、日本だとそんなに飲まないし、ぼくにはできないですね。
-ドイツにあるもので好きなのはないのか
武藤 ありますよ。ホットチョコレート。あれはおいしいですね。
-娘さんは1歳。ご家族はドイツでの生活になじめたか
武藤 うまくいっています。よく散歩にいきます。日本だとできなかった。すぐに見つかってしまいますから。奥さんがいなかったら、僕はここでうまくいかなかったと思う。だから若かったけど結婚したんです。
-大学では経営学を卒業しているが
武藤 僕にとってすごく大事でした。自分自身に高い要求をかけていました。ドイツに移籍することは決まっていたけど、絶対に卒業したかった。
-もしサッカー選手になってなかったら
武藤 お医者さんですね。親戚の多くが医者として働いています。ぼくもそうなっていたかも。