小林祐希、開始早々に出血「きたねえことするな」

小林祐希

<オランダリーグ:ヘーレンフェイン2-2ゴーアヘッド・イーグルス>◇3日◇ヘーレンフェイン

 ヘーレンフェインの日本代表MF小林祐希(24)は、ゴーアヘッド・イーグルス戦に中盤3枚の中央でフル出場した。

 試合は前半32分に失点。後半20分にフェールマン、同25分はスラフフェールと、途中交代で出場した2人の得点で逆転したが、同44分に失点して2-2の引き分けに終わった。(エリーヌ・スウェーブルス通信員)

 小林は開始早々、相手肘が顔に当たり出血。ボールのないところでのプレーに「こんなことをやってくる人もいるんだなあって。20試合で初めてですね。ボールないところでいきなりガンってやられたのは。きたねえなと」とラフプレーを振り返った。

 小林の一問一答は以下の通り。

 -もったいない結果

 残念でしたね。でも、逆転できたっていうことは、プラスにとらえていいんじゃないかと思います。悔しいですけど。相手も下位のチームだし、勝ち点3を取らないといけないゲームだったんですけど。まあ、イメージしていたよりもしっかりとパスをつなごうとしてくるチームで。崩されかけたシーンもあったし。ただ蹴ってくるだけじゃなかったんで。もうちょい蹴ってくるかなと思ったんですけど。意外とつないできたので。小さくてすばしこいやつも多かったし。手を焼いた部分はありましたけど。後半は良い戦いができたと思います。

 -前半やられた場面があった

 簡単に裏を取られて。右サイドに振られて、サイドバックとのワンツーのところ、(右サイドバックの)マルツォとうまく入れ替わろうとして、ガチャガチャってなって、相手のところにこぼれて裏を取られたんですけど。人がそろってて、取れるチャンスが何回もあって、やられたので。足りないですね。優勢に進めていたのに、あれで焦っちゃってってなるので。

 ああいうところを、うまさを見せてマイボールにするというのは、もちろん大事だけど、しっかりクリアするところはクリアとか。ハッキリしたプレーも大事なのかなとは思いました。特に立ち上がり。マイボールにしたいけど、無理に狭いところでマイボールにするというよりも、しっかりとクリアなのか、一回全員が戻れるようにするとか。それは、個人戦術なので。1人1人がイメージしてやらないといけないことかなと思います。

 -立ち上がりすぐ、顔をパーンとやられてうずくまっていましたけど、あれは

 舌が切れちゃった。肩でボンと来たから。きたねえことするな、こいつって。でも、それもヨーロッパだなっていう。

 -肩でやってるだろ、みたいなジェスチャーしてアピールした

 それは一応伝えておかないと。何もなしで倒れないし、俺は。こんなことをやってくる人もいるんだなあって。20試合で初めてですね。ボールないところでいきなりガンってやられたのは。きたねえなと思いましたけど。

 -足を痛めたりとかは

 前半、多分、分析で俺のところを狙っていたんでしょうね。かなり、相手の7番、俺が受けた瞬間に後ろからっていうのが多かったので。後半は俺が受けるというより、スペースを空けて、前に(パスを)付けさせるようにして。俺はスペースを作る動きと、守備に専念するっていう

 そうしたところハマったというか。サイド、サイドに早くボールを回す。7番が俺のことを狙っていたので、むしろ7番の近くに俺が立っていようというか。逆に近づいて、俺はお前を抑えるというか、1対1、お前のところに来ても俺が(止めに)行くしっていう。

 無理に自分が受けるんじゃなくて、周りを動かそうかなというふうには工夫はしましたけど。そしたら、サム(ラルソン)もアルバ(ゼネリ)も、あとルイスも生きるようになったし。別に自分が無理に頑張らなくても、というところは、良かったというか。割り切って、今日は止めようというか、今日はボールを受けないで、サポートに徹して、使われたらサイドチェンジっていう。

 ほんとに6番(ボランチ)という感じですよね。無理に前に出ていかない。今日は無理して受けないとか。無理しないバランスを取ることを専念してやりましたけど。それでもまだステイ、ステイ、後ろ後ろっていうふうに言われていましたけど。

 相手がサイドも2トップも攻め残るというか。守備の意識が低いのか、そういう戦術なのかよくわからないですけど。ずっとベタっと(前線に)3人4人張っている状態なので、相手が。俺が残らないと、数的優位を作られるので。それはしょうがないんですけど。失点しなければ、後半の失点がなければ、良かったねって言ってもらえたんですけど。ちょっと残念ですね。

 -小林選手は、前半は良いプレーと悪いプレーがありながら、ガツッとボールを奪いに行くところは行っていた。後半は無理してボールを奪いに行かないような守備の仕方をしていたけど

 前半は相手も元気があって、五分五分のボールになることが多かったですけど。後半はカウンターだから。相手がスピードアップしてドリブルしてるし、こっちが3枚で、相手が4枚いたら、まず遅らせることを考えるので。無理に行ってスコンと抜かれたら、ピンチになるので。それは周りを見ながら、周りを戻しながらっていうのは、それは攻められ方の違いですね。

 前半は相手もつないでつないで押し込もうとしていたから、ガチャガチャってなった時にドンと行ってたけど。後半はうまく間合いを取って相手のミスを誘うというか。一番悪い選択をさせるっていう、戻させるとか。戻させて(FW)レザ(グーチャンネジャド)が1対1になったりとかというのもあったし。そこで無理に取りにいかない。無理して後手踏んで後手後手になると、どんな弱い相手でも、下位の相手でもそこを付け込んで来るんで。後手にならないように、(マークを)はがされないようにとは意識しました。

 -後半途中に膝をおさえていた

 うーん、まあでもプレーになったら関係ないんで、アレなんですけど。声出す時に、あーって言う時に、ウッと来る感じですね。走っている時は大丈夫なんですけど。声出す時にひびくなっていう。それくらいです。

 -ということは、あばらか何か

 この辺(左脇腹付近を押さえながら)の骨。相手の膝か何かが入ったんで。まあ、でも大丈夫です。でも、スタイン(スハールス)がグラウンドでプレーというか。徐々に復帰してきたというか。マルティン(エデゴール)が後ろのポジションに降りてきたから。これは俺はどこで出るのかなとか。出れなくなるのかなとか。不安ではないですけど、いろんなオプションを監督も頭を悩ませるようなオプションが増えたなというふうには思いますね。

 今日くらいの相手だと一個下くらいに居たほうがマルティンもやりやすそうだったし。相手の攻撃の迫力がもっと上がった時に、もっと戻らないと、カバーしないとっていう。俺の脇に戻ってこないといけないし。球際強く行かないといけないし。そういうところでは、勝ってるかなと思うので。スタインが戻ってきたらどうなるか楽しみですね。

 -シュート数は17本対して相手2本

 17本対2本。残念ですね。でもそれがサッカーですね。それはまあ受け入れないと。受け入れないとというか、結果は2-2だし。それはしょうがない、切り替えますけど。もちろん反省は反省として生かして。サッカーなので。ずっとそういう課題はこれから100年、200年ずっと言われ続ける課題だと思うので。それをできるだけ少なくできるチームが上にいけると思うので。それは次の試合に修正したいなと思います。

 -とにかくピッチがスリッピーな感じ。最後GKも踏ん張りきれなくてパンチング出来なかった感じがあった。両チームともにみんな滑ってた

 グラウンドはね、言ってもどうしようもないので。それでもお互いサッカーしようとしていたというのは、良かったし。それでも、ミスしない人はしないと思うので。ミスしていいエリアとミスしてはいけないエリアというを考えながらやらないといけないと思います。

 -前半のやり方と後半のやり方を変えたということですが、自分できめてやったのか

 俺がもう(ボールを)受けないって自分で決めました。監督は受けてくれっていうか。でも今日は俺を使わなくても、前に(ボールを)スパンスパン入れれていたのに、無理に俺に付けるというか。右サイドのマルツォも前にスペースがあるのに、狭い俺にポンと入れてきたり。そこはお前が(ボールを)運べよって。でも、それは多分、みんなグラウンドも悪いし持ちたくなかったんでしょうね。でも、今日はもっとセンターバックが、後半はもっと前にドリブルで運べって。サムにパス。サルバにすぐ入れろって。俺は狙われているから。付けるんだったら、レザに付けて、俺はサポートに行くねって言って。

 俺はもう(相手の)7番の近くって自分で決めました。そしたら交代選手も当たって、点も取れたし。良くない時は割り切って自分は違う、出来ることに専念するっていうのも、プロかなと。プロというか、そっちの方が利口かなと思ったんで。今日はそういうふうにしました。

 -今日の中盤のセット(小林、エデゴール、ファンアーメルスホルトの3枚)の可能性は。手応えとか

 うーん、点も2-2だし。勝てていないし。俺もこっちに来てなおさら思うようになったけど、どんなサッカーでも良いから勝ちたいという。もちろん良いサッカーをして勝つのがベストなんですけど。勝てるサッカー、勝つサッカーがしたいので。

 スタインがいた時はもっと、攻守に迫力があった気がしたんですけど。なんか今、小技はうまいけどっていうふうに。後ろから見ていて、なんか。今日はシュートいっぱい打ってたけど、サムもあんまり打たなくなった。マルティンが見えたら一応、こう使うみたいな。北欧同士の何かあるんでしょうけど。何か怖さは前の方があったかなと思いますけどね。

 でも、決めるのは監督なので、俺は与えられたポジションでしっかりやる。マルティンも今日、すごいアシストしたし。ルイス(スラフフェール)もよく決めたけど。ヘンク(フェールマン)もよく決めたし。俺は良いところを見ていきたいなと思います。