長谷部誠「この国にキャラクターが合った」一問一答

ブレーメンでのラストマッチに主将としてプレーする奥寺康彦 (1986年5月18日)

<ブンデスリーガ:フランクフルト-フライブルク>◇5日◇フランクフルト

 フランクフルトのMF長谷部誠(33)が、ホームのフライブルク戦に先発し、ブンデスリーガ1部通算235試合出場を達成した。ブレーメンなどで活躍した奥寺康彦を抜き、日本選手最多記録を更新した。試合は1-2と敗れ、歴史的な一戦を白星で飾れなかった。長谷部の試合後の一問一答は次の通り。(取材・中野吉之伴通信員)

     ◇    ◇

-今日の出場で日本人新記録ですが?

 「ありがとうございます」

-いつも通りに意識せず?

「特にいつもと変わらず。今までそういう記録自体、それほど意識したことがなかったので。ただ、今日もこの前もそうですけど、チームの結果がすべてなので。そういう意味ではうれしさというのは全くないです」

-ドイツのメディアが記録について報じてくれることについてどう思う?

 「まぁ、ドイツメディアが拾ってくださるのは恐らく日本のメディアのみなさんが書いたり、質問したりしれくれるから…まぁそんな感じがしますけど。もちろん僕はそんな記録とか何かを打ち立てるような選手ではないので…あれなんですけど…今まで僕に携わってきて下さった方に感謝しないといけないですし、それとともに近い将来この記録は若い選手が抜いてくれると思うんでそれにも期待したいですけどね」

-お祝いのメッセージって届いたりしました?

 「いやぁ…特にないですけどね」

-奥寺さんには『抜きますよ』と言っていた?

 「まぁ、前に対談したときに」

-この記録が長谷部選手にとって持つ意味はどういうもの?単なる通過点?

「うーん…通過点って言いたいんですけど、正直記録を意識してなかったんで、特にこう…ただ、積み重ねるってことは簡単なことではないのは自分も分かってますし、これまでそんなに大きなケガもなく試合にコンスタントに出なければ打ち立てられなかったものだと思いますし、まぁそれは自分が今まで、もちろん周りの方の協力もありですけど、自分の中でもサッカー選手として今まで突き詰めてやってきた部分はあるので、そういうものがこのように結果として、記録として評価していただくのはもちろん非常にうれしい部分はありますけどね」

-振り返るとドイツに来て長かった?

 「まぁそうですね。いい時だけでなく、そうでない時も多くを経験しましたから、振り返れば長かったなというのはもちろんありますけど、ただ、これから先もっともっと記録は伸ばしてかなきゃといけないと思いますし、逆に若い選手に抜かれないくらいの、それくらい突き抜けた記録を目指してやりたいと思いますけどね」

-ドイツにこれほど長くいるとは思わなかったと言っていたけど、実際ドイツって長谷部選手にとってどういう国?

 「どういう国…まぁもちろんキャラクターとしてこの国に合っているなというのは正直自分でもありますし、それはドイツ人だけじゃなくて、いろんな国から集まってきて、今でもチームに18か国いますしね、そういう環境が自分にあっているなというのもあるし。だからといって自分がドイツで長くやれているからといって、違う国にいってうまくできるかと言ったら、そう簡単なことではないと思うし。そういう意味では自分に合ってるのかなとは思います」

-ドイツのおかげでここまでこれた、ここで学んだということは?

 「もちろん、ドイツに対してはね、非常に感謝してますし。自分を大きく変えてくれた場所ですし、こっちに来なければ明らかに感じられなかった部分がある中で、ドイツという国には個人的には感謝している分、その分またこの国に恩返ししていきたいなという思いもあります」

-大きく変わった部分というのは?

 「なんですかね。まあメンタル的な部分じゃないですかね。日本にいたら感じられなかったことを多く感じることができていると思うし。逆に外から日本を客観視することもできているし。いろんな視野を持てるというのではそういうのは大きいと思います」