マインツ武藤、代表落ちにも「これで呼ばれたら嫌」

シャルケ戦でボールをコントロールするマインツ武藤嘉紀(撮影・PIKO)

<ブンデスリーガ:マインツ0-1シャルケ>◇19日◇マインツ

 日本代表メンバーから外れたマインツFW武藤嘉紀(24)が、ブンデスリーガで結果を残してハリルジャパンに返り咲くことを誓った。

 後半37分からの途中出場に終わった武藤は試合後、日本代表についての胸の内を語った。主な一問一答は次の通り。(中野吉之伴通信員)

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--代表に入らなかったっていうのは

 「出場時間もフルで出ているわけじゃないから、正直、何の文句も言えないですけど。監督が決めることですし。でも他の選手で、しっかり出ている選手たちっていうのは、みなさんが思っている通り、クエスチョンマークが着いている選手もいるんじゃないかなとは思いますけど。自分に関しては、本当にまだ結果も出ていないですし、結果が出てからあれこれコメントはしたいと思います」

--逆にそんなに(選ばれる)期待はしていなかった?

 「自分はまったく期待していなかったです。むしろこれで呼ばれたら俺は嫌でした。俺はね。結果が出てないし。ただ単に海外でやってるっていうだけで呼ばれてしまう…、そういう甘い世界じゃないってのはやっぱ思ってたから。まあむしろ、これで呼ばれないで、こっちで調整するっていうか、もう一回、チームとして、自分のポジション確保するために仕事しなきゃいけないし。ハリル監督も『チームでしっかりゴールを取れ』って言ってくれてたんで。ま、ホントそのとおりだと」

--それでも奮起材料じゃないけど

 「もちろん悔しさはありますし。やっぱ、この代表までに結果を出せてなかった自分にふがいないと。ホントもう、こっからはい上がってやろうっていう。まあ、けが以外で外れることはなかったっていう。ホントやっぱ自分の実力不足だし、アピール不足だっていうのがわかったことで、ホント貪欲に。今日(シャルケ戦)とかももう、前が無理なら、前、前って言って裏が無理ならもう自分で下がってもらって、そっから仕掛けていくっていうぐらい」

--ハリル監督とはけがが治ってから話した

 「話しましたよ。フランクフルトで会って。浅野と宇佐美と。まあとにかく『お前たちは試合出場して点に絡め』ということを言われましたし。まあ、そんな感じですね」

--代表に行って、帰ってきて変にコンディション難しくするより、ここはしっかりリフレッシュする時間に

 「その通りです。もうこうなった以上、またここで親善試合もありますし、まあそこで出て自分がプレーして、一番切れているところをまた見せて。あとは得点? ほんと、そこに関しては貪欲にならないといけないですし。自分の価値を高めるのはやっぱり、海外ではゴールとアシストだけだと思うので。そこを貪欲に狙っていきたいなと思います」

--復帰してからずっと休みがなかったのでは

 「そうですね。家族と過ごす時間も少ないですし。ここでまあ、コンディションも上げていくために、完璧には休まない。まあリフレッシュして旅行…は、まあ行けるかわからないですけど(笑)、しっかり切り替えて。「何で呼ばれないんだ?」って言われるように活躍していきたいなと思います」

--クラブでケガ以外で出られないというところで、ちょっと壁じゃないけど、苦しい感じにいて、そこを打壊できればみたいな

 「こういう体験って少ないですし、自分としては初めてかな、プロになって。ほんとに何だろう、成長できるチャンス。今まで落ちていったことがないので。こういう体験っていうのも選手として絶対に良い経験になると思うんで。頑張って、ほんとに誰よりも努力していきたいと思います」

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 武藤は昨年9月下旬に右膝の靱帯(じんたい)を負傷。約4カ月の離脱期間を経て、今年1月22日のケルン戦でピッチに戻った。今季のリーグ戦成績は10試合2得点で、リーグ戦では9月18日のアウグスブルク戦、公式戦となれば9月29日の欧州リーグ・FKガバラ戦を最後に、ゴールを挙げていない。