シュツットガルト浅野3連勝だ「チーム優勝させる」

シュートを放つシュツットガルト浅野拓磨(撮影・PIKO)

<ブンデスリーガ2部:シュツットガルト3-1ウニオン・ベルリン>◇24日◇シュツットガルト

 シュツットガルトFW浅野拓磨(22)が4試合連続で先発出場し、首位に立つチームの3連勝に貢献した。左サイドの攻撃的MFの位置に入ると、前半は動きに切れが見られ、何度もドリブルで左サイドを切り崩した。

 前半17分には左サイドから力強いドリブルで突破しチャンスメーク。MFテローデ、MFマクシムとつなぎ、最後はMFブレカロがフリーでシュートもGKのファインセーブに遭った。同19分、浅野のパスを中央で受けたブレカロが右足ミドルシュート。わずかに右外へ。さらに同20分にもドリブル突破からやわらかいクロスを送った。同39分にはドリブル勝負から左足シュートを放ったが、わずかに枠外へ。45分、敵に囲まれながら中盤でボールをキープすると、観客から拍手が起きた。

 浅野は無得点のまま後半18分に途中交代となった。チームは前半29分にFKからマクシムが先制点を挙げると、4分後にFWテローデが加点。1点を返された後の後半23分には、浅野に代わって入ったMFギンチェクが貴重な3点目を挙げた。シュツットガルトは勝ち点を60に伸ばし、2位のブラウンシュバイク、3位ハノーバーとの勝ち点差3をキープし、首位を守った。

 試合後、浅野との一問一答は次の通り。(中野吉之伴通信員)

    ◇   ◇

 -大事な勝利

 「そうですね。今日は勝てば大きいというのはわかっていたので、まずは勝ててよかったなと思います」

 -交代は少し早かった?

 「そうですね、でも後半入って急激に僕も質が落ちたなと感じてたんで(苦笑)。まあ、監督の判断は仕方ないですけど、もうちょっとやりたかったなとは思います」

 -理由とかは?

 「いや、ミスが単純にあの時間は多かったなと自分も思いましたし。だから、もっと取り返すぐらいの、もっとやりたかったなと思いますけど」

 -前半はすごいい感じだった

 「そうですね、ボール持った時も落ち着けてたかなと思いますね。前半はある程度自分の間合いというか、ボールも自分の思い通りに動かせたかなと思いますけど。後半なかなかボールが足につかなかった場面が多かったですし、コントロールが足につかなかったとか、あのスリッピーな状況の中でおもうところに置けなかったとか増えましたけど、前半はある程度できたかなと思います」

 -後半そうなったのは疲れが出たから?それとも気持ちの面?

 「疲れが出てたのは正直あったと思いますし。でも集中力が切れたとかそういうのはないですけど、ただ単に自分の疲れてきたときの技術の問題だったりとか。そこはもっともっと、疲れてきたときに質を上げれるように、プレーの質が落ちないことが大切かなと思います」

 -いつもの後半の入りより疲れた感じ?

 「いつもけっこう疲れてますけど(笑)。でも今日はハーフハイム入っても、正直結構走ったなと思ってましたし、後半もっともっと走ろうという気持ちはありましたけど。相手の裏ついたり、走ることになんか、疲れてて走れなかったとかはなかったと思いますけど。走ってボール受けた時になかなか、失う回数も前半よりも多かったと思うので。そこは質を上げていくしかないですね、トレーニングから」

 -後半の最初は疲れたけど、また時間がたつにつれて上がっていけるというものは持っている?

 「そうっすね。日本にいる時からそうなんですけど、後半の方が上がるという、慣れてから自分のプレーを出せるという感覚があるので、疲れてても後半また、雰囲気だったり、自分の雰囲気を持てれば、また上がっていくだろうなとは思ってましたけど。なかなか上がってこなかったんで」

 -タテに持ち込んで左足でシュートにいった場面については?

 「そうですね、ああいう場面はもっともっと増やしていかないと行けないと思いますし。最後シュートまで行きましたけど、最後の左足の質を上げたりだったりとか。中も気になってしまったので、自分の中では思い切ったシュートにならなかったなと。中も見えてましたし。迷いなく打てたらいいかなと思います」

 -左サイドで起点になるプレーも多かったが今のポジションについては?

 「そうですね、こっち来てほとんどサイドやらせてもらっていて。先週までは右だったんですけど。サイドをやる中で自分ができなかったことができるようになったりとか、少しずつよくなってきているのかなと思いますけど。欲を言えば一番前で勝負して自分の特長をもっともっと出せればなとは思いますけど、与えられている役割を果たせないとそこには行けないと思うので。今はなかなか難しいですけど、守備も求められているので、ゴールに絡むというよりはハードワークをどんどんしろと僕も言われているので。そこは監督が求めていることを自分はやるべきかなと思いますし。ゴール前でなかなかうまくいかなくても、自分がやるべきことはディフェンスまでしっかり戻って、攻撃になったらまた出ていく。そこは徹底してやっていかないといけないなと思うので。それはこっちに来てサイドをやるようになって、身についたことだと思いますし。走行距離も日本にいる時に比べたら上がっていると思うので、それはいいところかなとおもいますけど、もっともっとやれることはあるなと思います」

 -今のチームの状態については? 残りリーグ4試合となりましたが

 「そうですね、雰囲気は全然悪くないですし、むしろいいかなと思うので。ここにきて連勝続いていますけど、なかなかうまくいかなかった3試合前、4試合前までありましたけど、そこで踏ん張れたのが良かったかな。負けが続かず、最低1ポイントを取って。それが今につながっていると思うので、それで今また勝てるようになったことでなおさらチームの雰囲気は良くなっていると思いますし。全員が前を向いてやれて入れると思います。これを維持してやっていければ優勝できるかなと。そこで誰一人油断はしていませんし、常に危機感をもってやっていると思います」

 -言えることに限界があると思いますが、来季については?

 「いや全然、決まってもないですし、僕自身もどうなるんだろうという感じですけど。どうなっても僕は、うん、いいかなと思ってますし。もし、(保有権を持つアーセナルに)戻れたとしてもそれは自分のために成長できる場だと思いますし。そうじゃなくても、まずはこのチームを一部に上げることが大事で。来季1部でできるならそれはそれでいい環境かなと思います。どっちに転がっても自分のためになるなと思っているので、全然僕も、考えてはいますけど、決まってはないですし、どうなるんだろうって自分自身楽しみですね。このチームが好きなので、もう一年やれたらやれたで。いいチームでやれるなって、満足してやれるなって思います。好きですよ、この街もチームも。やっと慣れてきたというか。ハジ君(細貝)がいなくなって、1人でやるようになって、さあここからだというところ。1部でやれるなら、このチームでやりたいなと思いますけどね」

 -ここまで来たら昇格だけではなく優勝を?

 「僕はもともとそこしか見てないですし。最低限昇格もしなくちゃいけないですけど、最初ここに来た時から、チームを優勝させるために自分が何をできるのかと考えてここに来たので、そこしか見えてないですね」