マインツ武藤「つらい時期も…最後の最後に実った」

今季5得点目で日本人ブンデスリーガ200号を決めたマインツ武藤(ロイター)

<ブンデスリーガ:マインツ4-2フランクフルト>◇13日◇マインツ

 マインツFW武藤嘉紀(24)が値千金の決勝ゴールを奪い、チームの1部残留を確実にした。

 ベンチスタートとなった武藤は後半開始からMFエツトナリと交代で出場。後半32分にFWクルキッチのセンタリングボールにきれいなヘディングシュートを決め、3-2と逆転。このゴールはブンデスリーガ1部の日本人選手通算200得点となった。さらにアディショナルタイム、武藤はペナルティーエリア内でマークに来たDFヘクターを抜きにかかって倒され、PKを獲得。このPKをMFデブラシスが決めて4-2と勝利した。

 マインツは勝ち点37の13位。最終節で15位のウォルフスブルクと16位ハンブルガーSVが対戦することもあり、残留がほぼ決定。殊勲の決勝ゴールを決めた武藤は何度もうれしそうに笑いながら、ミックスゾーンで報道陣の質問に答えた。一問一答は次の通り。(中野吉之伴通信員)

    ◇    ◇

 -この前試合後に「何が何でも勝たないと」と言っていましたがそれを自分でやった感じですか?

 「いやもう、今日途中から入って絶対自分で決めてやろうと思ってましたし、本当何て言うのかな、今シーズンドイツ来てからやっぱりケガもあってつらい時期もありましたけど。前を向いてひたむきに頑張った結果が最後の最後に実ったのかなと思います」

 -ゴールシーンを振り返ってみて自分から見てどういう感じだったのか?

 「いやもう、正直あそこから決めるの難しいと思いましたけど、とにかくしっかり当てて、ヘディングで当てるってことを意識して。あれもかなり練習してきましたし。練習通りいいゴールになりました」

 -キーパーの位置は見えていた?

 「いや、本当にボールも早かったですし。とにかく強いボールで、あそこから距離もあったので上を狙おうと」

 -決めた後はもうユニホームを脱いで走りだしていました。

 「いやもう、うれしくて、うれしくて(笑)」

 -気持ちが爆発した?

 「そうですね」

 -あのゴールでチームは残留をほぼ決めることができました

 「決定だよね? 完璧にですよね? ほぼ?」

 -一応数字上はまだ可能性はなくはないですが。実質ほぼ確定というところです

 「でも10点とか取られなければでしょ? まあ、今日はみんな多分息抜きでどこか行くと思いますけど。僕的にはもっとゴール取りたいですし、またケルン戦でまたゴールとれるようにしっかり準備してしていきたいなと思います」

 -(点を)取れない時期もあったが、「苦しい時だからこそ自分が出た時に点を取れば救世主になれる」と話していましたが、今日はまさにそうなりました

 「そうですね。本当に準備だけは怠らなかったですし、とにかくつらい時期を歯を食いしばって頑張ることによって、おのずとチャンスというのは来ると思っていたので。そのチャンスを自分がどう生かすか。チャンスを生かせるような準備というのを、ひたすら待っていたというか。今日がそのいい結果につながったのかなと思います」

 -PKの場面はうまく取れたという感じ?

 「いやもう完璧ですね。もう狙ってましたし。相手も疲れていたので仕掛けられるのが一番嫌だと思っていたので。また(キッカーは)取られちゃいましたけど(笑)。まあ一点取ってましたし」

 -デブラシスに声をかけていたけどあれはしっかり決めろよみたいな?

 「そうですね、デブラシスのボルシアMG戦? でゴールを奪ったような感じのがあったので今日はそれを返すということで。ただあれでパブロが最初、結構怒っていたので(笑)触んなよと。でもFWとしてあれは触るべきなんで。今日はチームとしても非常に雰囲気良く終われたので最高の結果が出たんじゃないかなと思います」

 -今日のゴールが日本人のブンデスリーガ通算200ゴール目だったが?

 「ああそうなんですか。おぉラッキー!(笑) まったく知らなかった。自分のゴールも、まあ記念すべき200点ですけど、そういうのはあんまり気にしないで。とにかくとれるだけとんないといけないなとは思っています」

 -ここまでチームとしても苦しいシーズンだったと思うが、残留争いって実際やってみると?

 「もう経験したくないです(笑)チームの雰囲気もほんとに悪くなりますし。やっぱりみんながみんな人のせいにしはじめる。まあ、けどそれをなんて言うのかな…前を向いてやれたのが、やっぱりキャプテンだったり、やっぱり、雰囲気をチームとして、何ていうんだろう…やっぱりみんなで頑張ろうっていう気持ちがあったからこそだと思うので…もう2度と経験したくない」

 -スタジアムの雰囲気も最初から良かったのでは?

 「良かったけどやっぱり、2失点して、もうほんとに自分が変えるしかないのかと思ってましたし。これだけサポーターがいい雰囲気をつくってくれたのに、やっぱ最初の2失点、ああいう軽い失点はやっぱ必要ないと思うので。まあ、とにかく結果がすべてなので…、残留できて…いいかな、できてって言って。何点とられたら(だめ)?」

 -10点

 「あ、オッケー(笑)。みんな喜んでる」

 -逆転はもうあり得ない。

 「あり得ない(笑)まあ今日はちょっと息抜きして、まあゆっくりします」

 -入ってすぐ0対2になって?

 「いや、信じられなかったですね、もう。まあけどやっぱり、0対2になって、とにかく自分、チームの結果もそうですけど、やっぱ自分が点決めようと思いました。0対2になっている以上、誰かしら決めなきゃいけないから、まずはちゃんと貪欲に決めてそっから流れを変えれればなと思ったけど、さきにジョンが決めてくれたので。ほんとに良いところ持っていったなっていう」