エイバル乾、最終節バルサ「ファンだけど真剣勝負」

エイバル乾貴士

<スペインリーグ:エイバル0-1ヒホン>◇14日◇エイバル

 エイバルMF乾貴士(28)の奮闘も及ばず、ホームでヒホンに敗れた。

 先発出場した乾のプレーは切れていた。前半4分、ヘディングでMFアドリアン・ゴンサレスのシュートをお膳立てすると、前半17分にはハーフライン付近から意表をつくロングシュートでゴールを狙った。得意のドリブル突破も前半11分、相手DFに尻餅をつかせ、同26分には後方からのボールを鮮やかにトラップしてクロスを送り、スタンドのファンを魅了した。後半も左サイドでからクロスを送り続けたが、同32分に交代した。

 試合は前半32分にヒホンFWブルギに得点を許し、その1点を返せぬまま終了。エイバルは勝ち点54の8位で、21日(日本時間22日午前3時)の最終節・首位バルセロナ戦(カンプノウ)を迎えることになった。

 試合後の乾の一問一答は次の通り。(山本孔一通信員)

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 -最後、賑やかなセレモニーでしたが

 「まあ、あんなやってくれたんで。いい感じのことをしてくれたんで勝ちたかったですけどね。もったいなかった」

 -(前節の)アトレティコ戦同様にいい形で入ってはいたが

 「最初の15分位はすごくいい形で入れていたので、そこで得点が奪えれば最高だったんですけど。そこで奪えず、逆に相手に我慢されて、失点してしまうのは形として良くなかった。それをしてしまうと上にはいけない。チームとしてそこを修正して成長していかないといけない」

 -スポルティング(ヒホン)は残留をかけていた、その気持は感じたか

 「もちろん、それはすごく感じたし必死なんだなと。ただ、自分たちもホーム最後の試合で良い試合をしたいというのはあった。それが現れた前半の入りだった。そこは良かったが、その中でゲームをコントロールしないといけなかった。今日はセカンドボールを拾うことができなかった。失点をする前くらいから(上手くコントロールできなかったし)、そこら辺を自分達でどうにかしていかないといけない」

 -最初のチャンスが決まっていたら試合は変わっていた

 「まあ、1点入っていたら全然違ったと思った。相手もより前がかりになるし、2点を取らないといけなくなる。違った形にはなっていたと思う。ただ、先制されたのが現実なので、(先制を許したのは)自分たちの弱さかなと」

 -順位的には悪くないが、上に行くために必要なのは

 「ヨーロッパリーグに出られないとなってモチベーション的に難しい部分もあった。その前からヨーロッパリーグに出られる順位にいられなかったのは、しっかりと決めるところで決めることが出来ていないところが理由にあると思う。得点を決めて試合をコントロールしていかないといけない」

 -個人的にはどうか

 「調子的には悪くなかった。もうちょっと、シュートまでもっていければいいのかなと思う」

 -ロングシュートも狙っていた

 「そうすね。狙っていましたね」

 -最終節本気のバルセロナだが

 「ね、本気ですね(笑)本気なんで楽しみですし、そこで何かやってやりたいなとは思っている。最後までモチベーションを高く持てることはすごくうれしい」

 -バスクのチームが6位から8位(ビルバオ、Rソシエダード)を占拠している

 「凄いですよね。バスクのチームがそういう順位を占めているのはいいことだと思うし、お互いに刺激をもらっているとは思う」

 -バルセロナに勝ってバスク3位をキープしたいとこ

 「もちろん、それができればいい。ただ、それが出来なくても恥じる順位ではない。バルセロナが強いのは前からわかっていること。胸を借りるつもりで、自分たちのサッカーを出せるようにまずはやっていきたいと思う」

 -何度か対戦している。イメージある?

 「バルサが前がかりになってくるとは思うので、カウンターは狙わないといけないですし、3バックなのでサイドがちょっとあく、スペースがあるのかなと思います。そこはビデオで見てチームでやっていきたい」

 -バルサが優勝争いで真剣に挑んでくる中で、もしエイバルが結果を出したら

 「そうなればすごいことになりそうですけど、俺はバルサファンなのでね。そこは真剣勝負なので、そういう風に何かできれば一番ですし、頑張りたいと思います」

 -契約延長は?

 「まったくないですよ。もう一年あるので。ここに残る前提というか、別に移籍する気も今はないですし」

 -クラブからの延長の話は?

 「まったくないですね。必要ないんじゃないですか、これだけ点をとらない選手は(笑)」

 -これだけ出ている

 「もちろん出してもらっているのはうれしいし。監督が残ってくれるのは大きいですし、監督がやりたいサッカーはこの2年間で理解できてきたと思うし、その意味ではアドバンテージは来季もあると思うけど、また補強もあると思うし、べべもルベン(ペーニャ)もいるし、難しいポジション争いになってくると思う。でもそれが楽しいところでもある。それを楽しみながら、契約延長の話は気にせず、あともう1年まっとうしたいなと思いますし、延長になれば光栄なことなので、その時に考えたいですね。もし契約延長がなくて、出て行かないといけなくなっても、その時はその時で考えますけど」

 -この監督のもとで成長している実感はある?

 「すごくありますね。サッカーを教わっているというか。戦術面でもすごいし、戦術がこれだけハマるんだなと思いますし、この小さいクラブがすごく上まで行けているというのが、監督のやりたいサッカーと、選手がそれを理解して、チームが一つになっている。このチームでやれているのは自分にとって幸せな事。もう一年あるというのはプラスに考えてやっていきたいと思いますね。いい雰囲気ありますし

 -シーズンも終盤になり本田圭佑がスペインに来るといううわさも出ている。

 「きてほしいな。日本人選手がスペインに来るのはすごくいいことですよね。スペインでもっとやってほしいし、増えてほしいですね。あとはガク(柴崎岳)が頑張ってテネリフェには1部に上がってほしいですね。

 -ギリギリで残留争いしなくていいのはよかった

 「スポルティングの選手は(2部降格が決まって)泣いていましたよ。ピッチで。それ(最後にバルセロナと当たる)はみんなわかっていたので、早めに決めたいという気持ちはあった。(もし残留を争っていたら)最終節に終わっていましたね。カンプノウで。怖いですね」