<スペインリーグ:マラガ0-1エイバル>◇21日◇マラガ
エイバルMF乾貴士(29)はマラガとの開幕戦に先発フル出場し、巧みなボールタッチから好機を演出した。惜しくも開幕戦ゴールこそならなかったが、乾が攻撃の主役となったエイバルが1-0で勝った。
乾は昨シーズンに続く開幕戦での先発出場。負傷のペドロ・レオンや移籍がうわさされるセルジ・エンリッチと昨シーズンの攻撃の主役がいないチームにあって、定位置の左サイドを主戦場にチームのチャンスをつくった。
まず前半17分、乾は右サイドからのクロスに代名詞の「吸い付きトラップ」を披露すると、グラウンダーのクロスをFWチャルレスに送る。その3分後にも再びチャルレスに正確なクロスボールを送り、得点機を演出した。そして同34分には、25メートルの距離からミドルシュートを放った。ゴール枠をとらえたが、GKの正面とあってセーブされた。
後半に入っても乾が攻撃のタクトを振るった。同3分に左サイドからクロスを入れるが、あと1歩のところで味方選手に合わず。そして最大の見せ場は33分、チームの追加点として試合を終わらせる決定的なチャンスを迎えた。乾のファーサイドを狙ったシュートはマラガGKの好セーブに遭い、得点にはならなかった。
なお、決勝点は後半12分、左サイドDFアンヘルのクロスボールをチャルレスが頭で合わせた。この1点を敵地で守り、エイバルは幸先良く勝ち点3を手にした。
試合後の乾の一問一答は次の通り。
◇ ◇
-開幕戦勝利、勝ち点3と良い試合でしたが?
「そうですね。去年は負けましたし、今年は良い形で(勝てた)アウェーで難しい試合でしたけど、いい(シーズンの)入りが出来たかなと思います」
-切れもあったように見えた
「そうですね。体の調子自体は問題ないと思うし、“決めるところを決めないと”といういつもどおりの反省で終わりますけど」
-決定機のシーンを振り返ると
「自分のシュートが弱かっただけ。あっちのコースを狙うというのは悪くないと思うし、その威力、コースをもうちょっと上げていかないと思う。まあ、ニアに打っても良かったのかと思うが、フリーだったのでいろんな選択肢があった。選択肢が悪かったとは言わないが、ミートが出来なかったというところですね」
-シュートのほかにもいいクロスを上げていたが
「どっちかは決めてほしかったけど、それは仕方がない。でも、チャンスに絡めているということは自分自身良いと思うし、後半もそういったシーンを増やしていきたかったけど、なかなかできなかったのでそこを反省点にやっていきたいと思う」
-リーガ3年目、目標は?
「いつも通りです。チームが勝つことが一番だし、その中で自分が結果を出せれば一番。チームのためになにかやるというのと、その中で個人の結果がついてくればいい」
-気持ち的にバルサ戦のゴール、代表呼ばれた後変化はあったか?
「特に違いはないですよ。あんまり変わらないです。バルサ戦は去年の話だし、代表はまったく別の話。そんなに気持ちを新たにというより、1年1年新たなシーズンが始まるので何かが違うわけではない。いつも通りのシーズン最初の感じです」
-チームは入れ替えが多かったが良かった
「そうですね。キャンプや準備期間でそれぞれの選手が監督のやりたいサッカーを理解してしっかり出来たのが今日の勝利につながったし、それが出来たことが一番ですね」
-マラガには元チームメートがいたが話をした?
「ボルハとは話をしたが、アドリとはそんな話はしていない」
-監督の求めるサッカーはメンバーが変わったことで変わったか?
「いつも通り。それに選手が合わせていくという感じ。監督の思っているサッカーを、まあメンバーやスタイルは監督が決めることなんで、その中で、自分達がアイデアを出していければというのは攻撃のところではある。守備に関しては規律を守って、監督の望むことを理解していないといけないという感じです」
-チームとしての目標は欧州出場?
「いや、1戦1戦ですね。今日も難しかった。勝てたことは良かったが、難しい試合だった。押されるシーンもあった。だから1戦1戦勝てることだけを考えて、その結果上に行ければすごくいい。負けたとしても次の試合で取り戻すと切り替えてと1試合1試合やっていきたい」
-日程的に序盤の戦いが鍵となると思いますが?
「ヘタフェのやったチームと次俺らがやるんすよね。厳しいといえば厳しいが、去年も同じような感じなのでそんなに変わらない」
-監督がシュートのシーンのあと怒っていたが何か言われた?
「いや、言われてないです」
-今週、日本代表が発表されるが
「今言うのもなんなんで、選ばれてから考えたいです」
(山本孔一通信員)