香川「豪州戦に大一番の覚悟。あとは勝つだけ」

競り合うMF香川(左)(撮影・PIKO)

<ブンデスリーガ:ドルトムント2-0ヘルタ>◇26日◇ドルトムント

 MF香川真司が所属するドルトムントが、ホームでFW原口元気が所属するヘルタを2-0で下した。

 香川は後半18分、MFゲッツェと交代しそのまま左MFに入った。同30分、DFザガドゥの縦パスが入ったシーンでは、反転してトラップし、相手DFラングカンプと入れ替わるなど“らしい”プレーも見せ、同41分には浮き球のパスを前線に送り、MFプリシッチの決定機も作りだした。

 以下は香川との一問一答。

 -試合が決まりかけてからの出場

 香川 決まっている感はなかったですね。僕としては、2点差っていうのはある意味怖い。スポーツですし、相手に一発のあるスピードのある選手もいるなかで、一発でやられたら分からない状況だった。攻撃で3点目取りに行くのかというバランスは見いだせない状況ではあったんで、難しさはありましたけどね。

 -1対1の守備で競り勝つ場面も多かったように見えたが。

 香川 取りきりたかったですし、もちろん1対1の場面は勝っていたと思うけど、セカンドボールだったり、3つ目4つ目がマイボールになれれば、もっとカウンターできていたと思う。個人としてはそこは負けてはいけない…途中から入った身としては。守備的なところは意識しましたし。そこは問題なくコンタクトできていたのかなと思います。

 -接触の時に肩は問題ない? 不安とか怖さは?

 香川 まったく怖さはなかったです。

 -攻撃面ではどういうとこを意識してた?

 香川 最後3分の1の中で監督から「違いを作れ」と言われてたんで。単調ではあったから、そこは意識しましたけど。もうちょっと絡みたかったですけどね、しょうがない。

 -今日のポジションで先発になることをひとまず目標にしていく?

 香川 そうですね。監督はステップを踏みたいという話をしていたんで、なので30分出たら、次60分であったり、練習もセット数で、何週間でどこまで…というのは見てるみたいなんで、それを踏まえた段階があるといわれてますし、いきなりスタメンと言うよりは監督としてのプラン…どんどん段階踏んでから、というプランがあるみたいなので、それを尊重しながら。ただ、やはり試合にスタメンから出たときにもっともっと僕はやれるっていうイメージはもっているし、その自信はすごく感じています。あのポジションとしては、あの状況で、最初から出ていたらもっと僕はできると思いますけどけど。

 -欧州CLもあるから、試合数も増えてチャンスは回ってくる。実戦も多い。

 香川 そうですね、欧州CLの1次リーグ見たら分かるけど、本当にタフなゲームがあるので、試される時だと思うし、もし負けた時の反応であったり、監督含めてチームとして試されるところは十分あると思うんで。それは1つ1一つ乗り越えないといけない。

 -欧州CLでまたレアルと同組

 香川 レアルは何回もやっているから、チームとしてね。個人としてはあまり試合に出てないから何とも言えないですけど。あのポット1のどれかとは当たるわけで、逆にポット3にトットナムがいるっていうのはちょっと反則というか(笑)。3の中の一番強いやつらが来たんで。そこはすごくタフなゲームですし。ただ本当に自分にとっては厳しさであったり、そういうところでどこまでやれるんだっていうのが試されると思うんで。そこをチームとしても個人としても勝ち切れればさらに自信をつけていけると思う。ほんとに厳しい試合になりますけど、チャレンジして勝ちきりたいなと思います。

 -代表で大一番が待っている

 香川 僕としてはイラク戦欠場してるんで、その試合が終わったあとから、目標というか、それが今シーズン最初の大一番になるなと思っていた。そのために日々考えてトレーニングもしてきた。覚悟というか、そういうのはね、この2カ月で十分つくものはありました。あとはね、勝つだけ。そのためにチームとしてやれることがこれから短期間の中でたくさんあると思うんですけど、チームとしてまず1つね、自信を持ってやはりホームでの戦いに、みんなが1つになってやることが大事なのかなと思う。あとは経験ある選手なので、どれだけ引っ張っていけるかという意味で。そういうところも監督からも言われてますけど。

 -オーストラリア戦で決めたい?

 香川 もちろん、それしか考えてないですし。負ければそのあと考えればよいだけで、まずは本当にオーストラリア戦、全力でやはり、ホームでやれるという意味では、そこだけを意識してやってきた。それしか考えてないです。勝つか負けるかでしょうね。引き分けは特に意味がないと思ってるので。勝つか負けるかだと思います。

 -ホームの大声援がプレッシャーに転じることはない?

 香川 そこの持ち方をどうするかっていうのですよね。いや、もうそれはメンタルの持ち方ですし、ドルトムントもそうですけど、うまくいかない時のホームの雰囲気というのはどうしてもプレッシャーに感じたり、そういうのも何回か経験してるし。ただ僕は、この2ヶ月良い準備があったので、ホームでやれるっていうことをプラスにしか考えてきてないですし。ホームのみなさんが今日みたいな勝てる雰囲気を僕たちに送って欲しいし、僕たちはやはりホームでやれるというのをポジティブに、そしてアグレッシブに。オーストラリアがオーストラリアで僕たちにやったように、僕たちが今度自分たちのホームで、試合を積極的に支配して。本当に攻撃的な、全てにおいて、守備もそうですし、そこで後手を踏んじゃうと厳しい試合になると思うので、そこの意識だけをね、僕自身は確認しながらやっていきたいなと思います。

 -頭からいくつもり?

 香川 監督が最終的には決めるし、そういう話もしているので、あとは練習を見て決めると思うけど、僕自身としては頭で呼ばれたら行くし、途中で呼ばれたら行くし、準備は両方していきたいなと。あとはもう監督が決めるし、それを信じてやるだけです。(鈴木智貴通信員)