今夏の移籍市場でシャルケから2部のウニオン・ベルリンへ移籍した内田篤人(29)が、10日のシャルケ-シュツットガルト戦の前に行われた退団セレモニーに出席した。
内田はシャルケのチームスーツに身を包んで登場。ピッチの上でマイクを使い、メモを見ながらすべてドイツ語で「このようなお別れの機会をもらってありがたく思ってます。7年間、素晴らしいファンとクラブで過ごしたこの7年間は私の素晴らしい思い出として残り続きます。いつもファンのみなさんがサポートしてくれました。この試合の勝利を願っています。グリュック・アウフ!(※シャルケの合言葉)」と話した。観客からは温かい拍手が送られた。
内田のセレモニー後の一問一答は次の通り。(鈴木智貴通信員)
◇ ◇
-退団セレモニーをしてもらうというのは?
「寂しいけど…まぁ別に悲しくはないかな。悲しいって思うなら俺(シャルケに)残るし。自分はやっぱ、プレーしたいと思ったから」
-うるっときたりは?
「全然全然(笑)」
-セレモニーをやってもらえるという話はいつくらいに?
「シャルケと話をしたときに、結構前に。まぁ『ファンに怒られるからやらせてくれ』って冗談で言いましたけどね(笑)日程がたまたま…今日デュッセルドルフで試合だったからね、寄らせてもらうといったらアレだけど(笑)タイミング的にはここしかなかったので」
-懐かしいという感情も?
「相手にデニス(アオゴ)とか相手にいましたし、話もしました。(今日対戦した)デュッセルドルフにも懐かしいというか、昔シャルケで一緒にやってたメンバーがいたんで」
-最後にファンにあいさつできたのは良かった。
「本当に、挨拶なしでしちゃったし、やっとこれでちゃんとお別れって感じかな。今日も見たけど、やっぱ良いスタジアムだし、ここで7年間できたのは自分の中で本当に大きいなと思います」
-ファンへのメッセージもドイツ語で頑張った
「あれはね、もうちょっとうまくしゃべれるんだけどね(笑)」
-あれは自分で作った?
「はい、あれは自分で。人の助けも借りたりしましたけど」
-さっきアップされたシャルケTVに「本当は選手として戻ってきたい」と言ってたが
「それを目標にリハビリをしてましたし、こんな長くかかりましたけど。まぁグラウンドには今日(2部で)戻れたんで、まぁスタートですね」
-ヨーロッパでここまで送り出してもらえる選手はなかなかいない。
「僕がいる中では、ラウールとフンテラールと…なんで、まぁありがたいですよね、こういう機会を与えてもらえるというのは」
-この地域のみんなにも温かく送り出してもらえた感じも?
「まぁ来た当初はちょっと慣れるのに時間かかりましたけど、良いチームメートに恵まれて、本当に財産かなって感じがしますけどね」
-今日スクリーンで昔の試合とかも映し出されてたが、一番印象に残ってる試合は?
「一番好きな試合は、今でも1個、チャンピオンズリーグのバレンシア戦。最後たぶんファルファンがカウンターで入れるんだけど、後ろから見てたけど、スタジアムが揺れてたからね。鳥肌立ったし、これがサッカー選手で一番幸せな時間なんだな、って。今でもすげー覚えてるからね。あのシーンは」
-このスタジアムの雰囲気が好きだと何度も言っているが、今日来てもやはりその気持ちは変わらない?
「やっぱサッカー選手として何が一番誇りか、嬉しいかといえば、こういうスタジアムでできることだからね。大きい声援ももらって送り出してもらえるのは、誰でもできることではないから。ホントにありがたい。結構選手も(他クラブに)出たからね。『どうなの?』っていう声もあると思うけど、やっぱサッカーは流れ早いし、監督もGMも変わればそうなるのはしょうがないから。でも今日みたいにちゃんと良いゲームできるから、そのチームの構成の流れっていうのを受け入れて。変な話、俺も出るのは寂しいけど、この変わるタイミングで出れて良かったと思う。スタート切れたからね」
-選手の移り変わりはサッカーの世界ではしょうがない?
「もちろんもちろん。俺とヘベデスが最後残ってたけど、俺が2010年に入ってきたときの仲間は全部いないし。監督はもちろん。そういう入れ替わりが激しい中で、7年間在籍できたっていうのは大きいと思う。こういう流れは受けとめるべきだと思う…。まぁ別に引退するわけじゃないし(笑)」
-7年間いれたというのは?
「財産だね。どこに移籍しようが、サッカーを辞める時でも、ここの7年間というのは忘れないと思うけどね。特別な7年間だったから」
-CLにこれだけ出れた選手もなかなかいない。
「まぁ、これからいっぱい出てきてくんないと困るけどね、日本人。まぁシンジ(香川真司)もチャンピオンズリーグあるし、今年は誰が出るのか分からないけど、どんどんどんどん出てもらってね。もちろん自分もそこに返り咲くのを目指してるけどね」