香川「引き分けもありえた。悲観する必要はない」

欧州CL1次リーグのトットナム戦で今季公式戦初先発を果たした香川(撮影・PIKO)

 MF香川真司が所属するドルトムント(ドイツ)は、アウェーでトットナム(イングランド)に1-3で敗れ、黒星発進となった。

 香川は今季公式戦で初先発。0-1とリードされた前半11分、右サイドのFWヤルモレンコからペナルティーエリア内でパスを受け取り、左足でのファーストタッチで前に行くと見せかけたところで、中へと流れるヤルモレンコに右足アウトサイドでリターンを送って同点ゴールをお膳立。その後も、相手ボランチのダイアーのマークを受けながらも、テンポ良くボールをサイドにはたいたり、スルーパスを通したりしてチャンスメイクを試み、後半21分に退いた。

 以下は香川との一問一答。

 -試合内容は

 香川 そうですね。やはりチャンスの数を含めて、僕らがリードを保っていてもおかしくないゲーム内容でした。

 -自身の出来は

 香川 う〜ん、僕自身も初めて(初先発)の試合だったので、どこまでやれるかはやってみないと分からなかった。チームとしてやりたいサッカーは、(以前とは)違ってきているのかな。ボールをしっかり保持しながら、選手間の距離感を含めて特に前半はいい距離感で、あれだけしっかり引かれた相手に対してチャンスを作れていたと思います。サッカーは90分間のスポーツですから、そういう意味では後半、ちょっと課題が出たのかなと…。ミスも少し増えて、相手にカウンターから流れを作られた。後半の質を、ゲーム体力的にも僕自身は上げていかなくてはいけないと思っています。チームとしても、攻守の切り替えを含めてもっと精度を上げていけば、もっと良いサッカーになる。

 -最初はトップ下で、途中からインサイドハーフに変わった

 香川 モー(ダフート)が結構前に来ていて右の方によくいたので、僕も左の方が数的にも有利だったので。選手の距離感も含めて。クリスチャン(プリシッチ)も結構いけていて、そこが起点になっていましたから。ヌリ(シャヒン)も左に行っていたし。そこで上手くコントロールしながら‥‥ただ、そのバイタルの中でボールを受けられるかという意味では、もう少し(ボールが)欲しかった。あそこでボールが入れば、より決定的なチャンスが生まれていたと思う。(今後は)その数が増えればいいかなと思います。

 -トットナムはコンパクトで、3バックと2ボランチも固かった

 香川 そうですね。やはり守備の個人の強さというのはすごくありました。ただ組織としてそこまで強かったかと言われれば、僕らは相手が引いた中でも上手くスペースを見つけながらチャンスを作れていました。そういう意味では引き分けもありえたかと思います。ただ、そこは結果の世界ですから。判定も含めてこれがサッカーなので、すごく悔しいですけど次に向けて切り替えるしかない。やっていることを含めて、僕らはもっともっと良くなると思うし、悲観する必要はないと思っています。

 -1アシストを記録して、チャンスもいくつか作って監督に対して良いアピールになった?

 香川 僕自身(先発は)初めての試合ですし、これからもっともっと見せていく必要があると思っています。中盤含めて良い選手が多いチームですし。どこで評価を高められるかと言ったら、より前のポジションだと思うし。ただ、こういうタイプはなかなかいないと思っているので、それを生かせれば。このチームにとって必要(な存在)だと思っている。それをもっともっと、練習と試合を重ねていけば必ずやれるという自信はあります。

 -9月は過密日程。チャンスもあるのでは?

 香川 そうですね、やはり日程が日程なので必ず全選手が必要ですし、そのなかでもっともっと重要になるためには、やはりピッチで証明していきたいと思います。

 -アシストになったリターンパスについて

 香川 あそこで、その前に(パスを)1本もらった時に、それこそ失点につながった。あそこのバイタルの中でダイアゴナルが空いていたし、アンドレ(ヤルモレンコ)も結構そこを見ていた。そこでワンツーであったり、1回ボールが入ればチャンスになるかなと思っていました。それは狙い通りでしたけど、やはりピッチのラスト3分の1の部分での精度はもっと上げていきたい。さっきも言ったように、(攻撃として)あそこに入りこまないと、なかなかサイド(からの攻め)だけでは厳しいので。その重要性はすごく感じました。

 -ウェンブリー・スタジアムの雰囲気は?

 香川 CLで初戦からこのレベルでやれるというのは、ブンデスにはない雰囲気ですしね。プレースピードを含めて。