吉田麻也、無念失点も「相手褒めるしか」/一問一答

サウサンプトンDF吉田麻也

 日本代表DF吉田麻也(29)が所属するサウサンプトンはホームでバーンリーに0-1で敗れた。

 吉田は2試合ぶりに先発しフル出場したが、後半36分、FWボークスに競り負けて決勝のヘディングシュートを許し、ピッチをたたいて悔しがった。

 サウサンプトンは3勝4分け4敗の勝ち点13で13位。試合後の吉田の一問一答は次の通り。(山中忍通信員)

   ◇    ◇

-試合を振り返って

 「前半はすごく良かったと思います。そのいい時に点が取れなかったことが1つ。(後半に)相手が2トップにしてきて、ちょっと(守備が)混乱したかなと。こういう、同じような形での敗戦が多すぎるなと思います」

-失点の場面を除けば個人的には非常に良いプレーができていたが、チームとして点が取れそうな雰囲気はなかった?

 「どうして取れないのか説明してくださいよ! いや…、点が入らない(苦笑)。これだけ攻め込んでいて、ボックスの中にも入っていけているのに…なぜだろうか(苦笑)?」

-だが過去2、3試合と比べると今日は主に左から形になっていたいし、少しは相手ゴールが近づいてきた?

 「うん。ボールの回し方も良かったし、アグレッシブさも十分だったし、(攻撃に)勢いもあったので、今日は(点が)入るだろうと思ったんですけど。前節、前々節とは、同じ0―0で試合が進んでいてもちょっと雰囲気が違うかなとは思っていました」

-吉田選手もターンからのハーフボレーで得点に迫った。決まっていれば違った展開になっていたかもしれない?

 「それはわからないけど、とにかく出来る限りのことをしようと、枠を狙って蹴ったら割といいところに行ったなという感じです」

-タイミングも良くて、左足で

 「左足だったし、もう、どうせ入んねぇだろうという気持ちで蹴りました(笑)」

-勝てた試合だけに悔しい?

 「そうですね。勝たなきゃいけない試合だった。(対戦前は)勝ち点3ポイント差で、勝てば相手に追いつくチャンスだったし。(サウサンプトンは)負けるとまた下に引きずり込まれる順位にいるので。こういう勝ったり負けたりを繰り返すんじゃなく、勝ち癖をつけていかないと、やっぱりトップ10には入っていけないと思う。そこが(チームに)足りないところかなと。ただ、失点のシーンに関しては、時には、やっぱり相手を褒めるしかないなと思います。あれを決められたらどうしょうもないっす」

-しっかりジャンプができなかったか?

 「クロス自体が、僕はニア(サイド)をケアしていたんで、戻り気味のボールになって、相手も戻りながらのヘディングだった。僕は(クロスに)触ることはできなかったんで、(ボークスに)いい体勢で打たせないようにっていう体の寄せ方はできていたと思うんですけど。まぁ、あれでも一発決めてくるんだよね、彼らは。時には相手を褒めるしかないと思いますね。あれを決められたらどうしようもない」

-山なりのクロスを力強くヘディングされた

 「褒めるしかないです」

-2試合ぶりに先発に復帰したが監督から話はあった?

 「監督と話は何回かしましたけど、これと言って明確な答えはなかったですね。クラブとしてやっぱり取ってきた選手、(移籍金)十何億ってかけて取ってきた選手を使うんだなって。フットボールもビジネスの一部なので理解しなきゃいけないですけど、それを覆すぐらい良いパフォーマンスを出していくしかないと思うんで、続けていくだけ」

-ファン・ダイクとのコンビネーションは?

 「試合ごとに良くなっている。彼自身のコンディション、彼と僕とのコンビネーションの両方が良くなっていってるなと思います。だからヘディングのところと、1個セドリックと僕の間のところ以外は相手にチャンスなかったと思うので、上手く守れていたとは思うんですけど」

-バーンリーは組織が徹底されていて、目的意識が明確になっている点が今のサウサンプトンとは違う?

 「レスターが優勝したときもそうですけど、やるべきことが明確になっているチームは強いですよ。選手の個の能力以上のものが出せると思うし、そういうビジョンがしっかりしているチームは強いなと」

-前半20分頃まではバーンリーのプレスが速く、パスの出しどころがなかった?

 「いなせてたんで、これを続ければ後半落ちてくると思ってたんですけど、逆にウチが後半落ちたなっていう印象でしたね」

-攻撃にもう1枚欲しい。現状では点が取れない

 「いる選手で戦うしかない。それは冬にクラブが考えることで、わからないです、僕には」

-代表戦は楽しみか?

 「非常に厳しい試合になると思う。世界レベルの選手たちとやれる機会はそうそうないと思うし。もちろんこのリーグ(プレミア)は違いますけど。ベルギーもブラジルもオールスター(チーム)みたいなもんなので楽しみですね」

-そのリーグで6年目に入って、レギュラーを掴んで、すごいことだと思うが?

 「レギュラーで今は出ているけど、いつ外れるかわからない。先週みたいなことありえるし。気は抜けないですけど。代表においては、大事なのは、いつもやったことのない選手とやらなくてはいけないので。そこの差をどれだけ埋められるかではないかと思う。僕自身は、それを少しでもいい方向にもっていきたいなと思いますし、どこまで自分たちがやれるか試すのが楽しみですね。若い選手というか、キャップ数の少ない(選手)。そんなに若くはないですけどね(笑)。国際試合を戦っている選手が少ないので、そこら辺がどう、良い方に転がるのか、悪い方に転がるのか、僕自身も分からないけど。まあ、それをやるために来ているみたいな。やるしかないです」

 -今回は岡崎選手、本田選手、香川選手といった経験豊富な選手がいないので、吉田選手にかかる責任も大きくなるのでは?

 「守備に追われる時間は長くなると思いますね」

-今日は、内容は残念だったが、代表戦は強豪相手で、楽しみな2試合になる。切り替えができるのでは?

 「まあ、選手としては常に高いレベルの対戦相手と戦えるというのは、単純に楽しみですね。1回こちらのことは忘れて代表に集中。自分たちがどれだけやれるのかに集中して。たくさんの課題、やるべきことが出てくると思うので、それをここに持ち帰って、リーグ戦を通して自分が成長するために、チームも成長するために、ちょっとずつ壁を乗り越えていけたらいいなと思います」