宇佐美は途中出場「下向かずにやっていくしかない」

デュッセルドルフFW宇佐美貴史

 デュッセルドルフ宇佐美貴史は、1点リードされて迎えた後半25分から出場した。

 -0対1という状況での登場。どういうことを考えてピッチに入った?

 「うーん…前半は良い感じでしたし、あそこで、前半のうちに点が取れなかったことが、すごく大きかったかなと思いますし。まぁ後半落ちるだろうなと思って、(前半は)ほぼ7:3、8:2くらいの割合で押しこんでたと思うし。まぁそれが徐々に、やっぱり五分五分くらいの、半分半分くらいの展開になるだろうなとは思ってたし、まぁそこでどういう変化が起きるかというのを…選手交代で入ったら勢いつけるとか、まぁ後半勢い増してる中にさらに入っていくのか、逆に押し込まれだして点が入るのか、どうなるのか…っていうのを考えながら見てた中で、まぁほぼ勢いを失った状態(での自分の出番)だったかなと思いますし。なかなかボールが回らなくなって、前半ああいう感じで手応えがあったぶん、後半はちょっと少し良くなくなって、パニクってた部分もあったとは思います、はい」

 -「相手にうまくやられた」というイメージ?それとも「デュッセルドルフが自滅した」というイメージ?

 「まぁ自滅だと思いますね。前半ああいう時に…まぁ勝ててる時ならあそこで1つ、2つ、ポンポンと(ゴールが決まる)…まぁ崩しきって点が入らなかった場面もありましたけど、こぼれて、結果、点が入ったりとかっていうシーンもあったとは思いますし、勝ってた時。ただ、それが今勝てなくなってる時は、まぁそういう結果もあいまって、なかなかそういう決定機を生かせずに、逆に相手に少ない決定機を決められて、どんどん自分たちで苦しめてしまってる感覚はありますし。まぁ少し恐怖心というか、やりながら何かビクビクしながらやってるような感じなのかなとは思います」

 -先制を許しちゃうと、デュッセルドルフの選手に恐怖心が出てきてしまう?

「そうっすね。良くも悪くも“勢い”がこのチームのストロングポイントだと思いますし、その勢いに乗ってる時…若い選手も多い中でチームとしてすごいアグレッシブに戦えますけど、その波が1つ終わった時の雰囲気が、見てて、結構あるなと思いますし。そうですね、自分たちの持ってる勢いというか、ツキというか、あんまりマッチしていない感じもありますし。まぁノイハウスとか帰って来て、フィンクもすごくコンディションが上がってきて、サッカーの質自体はすごくアップしている。負けてた時の最初のほうと真ん中くらい…今を(ここ6試合で未勝利の)後半とするなら。そういうサッカーの質自体は上がってると思いますけど………まぁでも勝てない時はこんなもんかな、と。まぁ色々あるとは思いますけど、一言で片付けるなら、勝てない時ってこういうもんですし、はい。まぁ不思議だなと思います」

 -90分を通してメリハリというか、チームとしてどう流れを作るかというのが今の課題?

 「まぁそうですね、先制点もセットプレーの崩れからですし、2点目もね、後ろでバタバタしてファウルになって、セットプレー(からの失点)ですし。ああいうことやれてたはずなんで。試合をうまく運べてたというか。厳しくなった時に耐えきって、最後ワンチャンス決めて勝つというしたたかな戦い…まぁしたたかなのかわからないですけど、まぁツキも味方にしながら勝ててた中で、ただそれが全部逆になってるというか。そういう難しさは感じますし、もちろん頭一つ抜けてた中で、順位的には。“油断”じゃないんですけどね、逆に頭一つ抜けててしまったからこうなっているのかなと思いますし。あそこまで抜けずに2位、3位、4位くらいの位置だったら、こんなに負けてないと思いますし。なんか、いろんなことが関わって、こういう勝てない時期が続いているのかなと思います」

 -勝ち慣れてないという部分もある?

 「そうですね…まぁでも勝ってた時も、よく勝ち切ったというか、よく勝ち点3にしたっていうゲームがすごく多かったですし。3-0、2-0で、割とラクに勝ててるような状況ではなかったんで。それが今やっぱり、落としだしているっていうのはまぁ必然なのかなと思いますし。また前半のような試合が90分続けば全く問題ないと思いますけど、前半のような展開が90分続かないってのは…まぁ今に始まったことじゃないのかなと思います」

 -宇佐美くんが入ってからも、今日はなかなかボールが回ってこなかったが?

 「そうですね。まぁもう少し動いているかなと、球が。(自分が実際にピッチに立つまでは、パスが)動いているかなと思いましたけど…あんまり良い感じではなかったですね。中に入って見ても…うーん、はい」

 -ピッチに入ってみると、周りが先制されたショックを引きずってるという感じがあった? 

 「『またか』っていうような感じはあったと思います。『またこうなるのか』っていう精神的なダメージはすごい大きかったと思いますし。あそこを耐え抜いて0-0で…(チームが勝ってる)良い時なら0-0で耐えぬいて、あの(終了間際の)PKが決まって、1-0で勝つっていうことができていたと思うんですけど、あれよあれよと言う間に1点、2点、入れられて、まぁ最後PKも入らないっていうのが、チーム全体で余計なことを精神的に抱えてしまっていると思います。少しナイーブになっているというか」

 -自分のプレーで、チームに流れを引き寄せていきたい?

 「もちろんそうですね。もうそこに尽きますし、個人的にはそういう中で何もしていないので、まぁ悔しさだったり、ストレスは募っていく一方ですけど、まぁ(年内は)ラスト1試合ですし、とにかくここをなんとか乗り切って、1カ月くらい時間があるので、そこでどれだけ一気にコンディションをグンと上げれるかどうかにかかってるとは思うので、下向かずにやっていくしかないなと思います。チームとしても個人としても」

 -とはいえ、まだ3位はキープできている。

 「うん、そうっすね。まぁ早くこの悪い流れを…1つ勝てば本当に変わると思うんで。ただ1つまでが長いのがこういう時のチーム状況だと思います」

 -ちなみにガンバで2部を経験してるが、2部での戦い方に関して、その時と似ている部分はあったりする?

 「いや、違いますね。サッカー自体が違いますし。今日みたいに引いてくれれば、相手も引いて相手もサッカーしようとしていたし、ああいう展開になれば、良い流れでやっぱできるなと思いますし。後ろから繋いで、っていう」

(鈴木智貴通信員)