香川、新監督の下「原点に帰ってしっかりと戦えた」

後半44分、チーム2点目を決めガッツポーズするドルトムントMF香川(撮影・PIKO)

 ドルトムントMF香川真司が今季3得点目を決めるなど全得点に絡んでフル出場し、チームのリーグ戦9試合ぶりの勝利に貢献した。

 後半10分にFKでDFパパスタソプーロスの先制点の起点となると、同44分にはFWオバメヤンとのコンビネーションでダメ押し点を奪った。

 以下は香川との一問一答。

 -やっと勝ちました

 香川 非常に長かったですけど。でもここからですね。

 -この数日は?

 香川 新しい監督の下、やらなきゃいけない。いろんな切り替えが短時間で必要とされましたし、その中で練習1回しかやってないんでね。フォーメーション形式でやった中で、最初はスタメンで出てなかった。監督は(先発組とサブ組を)ミックスしてるって言ってたんですけど、ベンチかなっていうのは予想はしましたね。監督も(フォーメーション練習のメンバーはスタメンとは)関係ないって言ってたんでね。パっと見でしたけど。でもしっかりスタメンだった。コンディション自体悪くないですし、今日もやりながら90分走りきれたんで、非常にコンディションを保ててると思ってる。

 -監督からはどういう話が?

 香川 基本的なことですね。ディフェンスと攻撃の中で、特に守備になった時に、前がハマってなかったら確実にオバ(オーバメヤン)が下がってブロック引いて、あんまり行き過ぎないように。しっかりコンパクトにディフェンスを保ったら行くように、と言われてた。それは徹底してました。あとはこういう時だからこそ、特に前半はね、うまくバランスを見ることが大事だなと。やっぱ失点してしまうと厳しくなるのは分かってたので。そこはみんながバランスを重視しているぶん、サッカー自体はなかなか展開はなかったんですけど。ただ今のチーム状況を考えた時に、そこを崩すというよりは、まずはやはり、しっかりとしたポジションをマネジメントしながら、戦って行く。失点をしない戦いをまずはやっていこうというのは、プランとしてありました。

 -慌てずに、落ち着いてやれた。

 香川 (前半6分にマインツが)ポスト(に当てるシュートが)ありましたけど、ビッグチャンスっていうビッグチャンスはあんまり作らせてなかった。今のチーム状況を考えたら嫌な流れありますけど、ただ、球ぎわだったり、しっかりと最後のところでは寄せれてたので。なので前半0-0で終われたことは僕たちにとっては良かったと思います。

 -自分も最後の最後で…

 香川 先制点大きかったですし、あれで相手が攻めに来て。どっちにしろ、後半は相手が疲れると思ってたんでね、その中で先制点やっぱ大きかったですし、あれで相手がバランスを崩して攻めに来てたので、よりカウンターがハマったのかなと。あとはポジションをトップ下みたいな形にしたので、僕自身はやることがはっきりしたので、より攻撃に対してやりやすかったですし、プレッシングもより、前のツーセンター(バック)にプレッシングをかけていったほうが良かったと思ったので、そこは自主的に判断できたのかなと思います。

 -自分の得点については

 香川 オバがよく見てくれてたんですけど、その前に(後半34分に)1本外していたんで、そしてピッチ状況も含めて…そしてこの前の(ブレーメン戦の後半に)シュートをオバ(の背中)に当たるっていうのも含めて、いろんなプレッシャーがありましたけど。入ってよかったです。

 -この頃はよくシュートを打っている

 香川 絶対チャンスはあると思ってた。やっぱゴール前3分の1の中で、そういうチャンスは絶対くると言い聞かせている中で、良いところにボールが入ることは増えていると思っているし、その中でしっかりと判断できている。あとは入るか入らないかの世界。そこをより、回数を高めていけたら絶対的にチャンスが生まれると思ってたんで、そういう意味では、今後もそういう回数を含めて、顔を出す必要があると思います。

 -監督が変わったことでチームの雰囲気はどう? ガラっと変わった?

 香川 もちろんありますね。緊張感は嫌でも生まれてきますし、みんな1人1人が危機感を感じながらこの2日間ぐらい過ごしていた。これをもっと良い方向に、良い流れに、僕たちは続けていかなきゃいけない。こんなんで満足するチームじゃないし、次の試合に切り替えて。ただ手応えをつかめる試合は見せれたんじゃないかなと。原点に帰ってしっかりと戦えたんじゃないかなと思います。

 -今日は勝つことで流れを変えたかった?

 香川 それ以外は方法がないと思ってた。どんなブサイクな試合でも勝つぞっていうのをみんなで言ってた。前半はうまくいかなかったですけど、慌ててなかったですし、これを続けてどんな形でも点を取って勝つというのは話してた。そこはある意味、みんな割り切って今日はやれていたと思います。ただ、この状況ではもっともっと積み上げていかないと、もっと上行った時に厳しくなると思うんで、ここからさらにチームとして、じゃあ攻撃の質をどう高めていくかっていう意味でも、もっともっと構築していかなければいけないと思います。

 -ダフートが投入された時に最初左に入ってたけど、少し監督と話をして、その後は真ん中に入ったが?

 香川 いや、ラファ(ゲレイロ)がトップ下やってたんで、「ラファがトップ下でいいのか?」って話をしたら、「それはお前が自由に変わっていい」って言われたんで。そしたらもう即決ですよね。確実に俺がトップ下にいったほうがいいですし、ラファも「ウイングのほうがいい」って言ってたんで。ラファも疲れてたんで、相当。そこは結構決めていいって言われたんで、じゃあもうトップ下のほうがうまくいくと思ったんで、そうしました。

 -まだ1日しか練習していないとのことだが、前ケルン監督だったシュテーガー氏の印象は?

 香川 サコ(大迫)から連絡取って話をしたりしたんで。そこで話はしましたし、良い監督っていう話をしましたし、チームをまとめるのが上手な監督っていうのは聞いていた。これからより、パーソナリティ含めて、トレーニング含めて、分かってくると思うんで、まずはやはり、この監督の元でもう一度良い緊張感を持ってみんながやれれば、必ず上昇していけるとは思います。

 -今日の試合の後半ロスタイムは、いつもより長く感じたり?

 香川 2点目が入ってたから別にそんなに苦しくなかったです。やっぱ1点だと厳しかったけど、2点入っていたから。2-0だったらそこまで…精神的な余裕は感じました。(鈴木智貴通信員)