宇佐美ゴールも「勝ってないので意味がないかなと」

MF宇佐美貴史(17年5月撮影)

 デュッセルドルフMF宇佐美貴史がアウェーでのレーゲンスブルク戦で2試合連続ゴールを決めるなど1ゴール1アシストと活躍したが、チームはまさかの逆転負けを喫した。

 第15節ドレスデン戦以来9試合ぶりの先発となった宇佐美は前半13分、右からセンタリングを入れFWラマンのゴールをアシスト。さらに同15分にもMFノイハウスの縦パスで裏に抜け出し、相手GKの頭上を抜くループシュートを決め、2試合連続今季4得点目をマークした。チームはその後3点リードを守れず逆転負けとなったが、宇佐美はデュッセルドルフに移籍後初となるフル出場を果たした。

 以下は宇佐美との一問一答。

 -前半途中でデュッセルドルフの勝ちが決まったかと思われたが…

 宇佐美 いや、でも中では3-0になってから、そんなに緩む感じはなかったです。点入って瞬間にみんな集まって「3-0じゃないような感じで戦おう。0-0と思って戦おう」っていう話はしてた中で、どうしても後半足が止まる前に、前半に2つ決められたのが痛かったです。前半は3-0で終わるか、最低3-1で終わらないといけなかった試合かなと思います。

 -3点取った時間帯っていうのは、その後の展開が想像できないような感じだった?

 宇佐美 相手もあたふたしてましたし、そんなにやられる気はしなかったです。僕も含めもう1点取れてれば、また試合は変わったと思います。1失点をしてしまってから、だいぶ受けるテンションになってしまった。1-0で勝ってる時も、そんな2点目、3点目を奪って勝つというようなチームではないので、1点入ったらその1-0を固く守り切るか、2-0を固く守り切るかっていうチーム。良い部分でもあるんですけど、そこが今日はまったくもって逆方向に出てしまったかなと思いますし、リズムをどんどんどんどん失点から崩してしまったかなと思います。

 -自分のプレーについては。調子も良い?

 宇佐美 もう少しボールが回りながらっていうのが自分の理想です。ドイツの2部リーグ、J2でもそうでしたけど、こういう内容の試合っていうのはあるものだと思います。相手もガツガツ来る中で、奪えばすぐにボールを蹴られて、蹴ったCB相手にすごくプレッッシャーをかけてくる。そこを拾えれば、そこからまたチャンスが広がるんですけど、そこもなかなか後半に関しては拾えてなかった。なかなかない経験をしたなと思います。

 -前半の2つを決めていればっていうのは。

 宇佐美 僕のやつと、まぁベニト(ラマンの惜しいシーン)もありましたし。“たられば”ですけど、それが結局どれか1本決まっていれば、もうゲームは終わってたと思いますし、逆に言えばどれか1つを守れてれば、こんな試合にはならなかったと思います。

 -アシストと得点のところについては

 宇佐美 そこに関しては良かったですけど、勝っていないので、意味がないかなと思います。

 -久しぶりの先発となった

 宇佐美 コンディションが上がっているかどうかっていう自分自身へのフィードバックっていうのは、スタートから出てみないと分からないものがあった。途中から出た時はすごいキツかったし、こんなキツい状態で90分出れんのかよって思ってました。途中から出るのとスタートから出るのは別物だなって感覚はやっぱり得ましたし、やっぱりなんとなくコンディションも上がってきているのかなっていう風に。間違いじゃなかったとは思うので。もう少しチームの中での自分自身の序列というかね、そういうのはもっともっと上げていかないと、とは思います。

 -得点シーンではノイハウスから良いボールが入ってきた。味方との呼吸が合ってきたのでは

 宇佐美 あれは素晴らしいボールでした。50:50のボールではありましたけど、そこで先に1歩が出るとか、少しずつ少しずつ状態が上がってきていることなのかなと思います。シュートも落ち着いて決められたんで、はい。良かったです。

 -夏からやって来たことの積み重ねがあったから今こうして出られているのか、そうではなくていわゆる短期的に調子が良いという感じなのか?

 宇佐美 やってきたことが積み重なって、と信じたいですけど。最初アウグスブルクから移籍してきた時は、ほとんどリハビリをするような状態からスタートした。監督からもそれは言われてましたし、半年はかかるだろうという話はしてた。そこから後半戦に入ってなかなか、ラスト6分とか、ラスト30分とか、それくらいの試合の出方ばかりだった。ただ今日90分出れたのは、1つポジティブな要素かなと思います。(鈴木智貴通信員)