酒井宏樹「大事なのはクラブ。代表は本番になって」

後半7分、マルセイユMFオカンポス(下)のゴールを祝福するDF酒井宏(左)(ロイター)

 第2戦が行われ、DF酒井宏樹が所属するマルセイユ(フランス)は、アウェーでビルバオ(スペイン)を2-1で下し、2戦合計5-2で準々決勝進出を決めた。

 酒井宏はファーストチャンスを演出したように、機を見た上がりを見せ攻撃に厚みをつけていた。守備に関しては簡単にクロスを許す場面などもあったが、基本的にはマルセイユが終始セーフティーリードを奪っているため、落ち着いてDFラインの構築をしていた。ロスタイムにはエリア外から得点を狙ったものの枠を捉えることはなかった。

 以下は酒井宏との一問一答。

 -3-1のリードがあって落ち着いて入れた

 酒井宏 最初の前半は特に気は張りましたね。やっぱりこの会場ですし、すごい雰囲気のスタジアムで、経験できてよかった。相手も前半は良かったと思う。

 -改めて右サイドはやりやすい

 酒井宏 そうですね、いつも通りやっているので、そこはノーストレスで入りました。左やっているからこそ右の重要性というか、貴重な時間なのでより楽しんでいますけど。

 -代表戦の前に右のリズムを取り戻せた。

 酒井宏 代表は全く考えていないですね。とりあえずクラブでやらないといけないし、まだ代表は親善試合なので。代表は本番になってから考えます。とにかく今はリヨン戦まではマルセイユで大事な試合が続いているので、しっかりけがせずいいプレーを見せられればいい。代表に入ったら代表でやることはいっぱいある。結果ももちろん大事ですけど、また選手もいろいろ変わったので、また一から戦術も含めてみんなですり合わせないといけない。そういうところに時間を使えれば。個人的なプレーの質というのももちろん大事だけど、とりあえずチームとしてなるようにやっていければいい。

 -今朝の代表メンバー発表は気になった。

 酒井宏 僕ら起床が10時45分だったので、起きたときには発表されていました。でも結構メンバーも変わりましたね。でもまだ試している段階だと思うし、大事なのは5月末でしたっけ? 23人が決まるときなので、そこまでいいプレーができるように。やっぱり監督も言っていましたけど、大事なのはクラブなので。代表でいいプレーしたからといって本大会(のメンバー入り)が決まるわけじゃないので。だからクラブを第一に頑張っていきたい。

 -ハリル監督もマルセイユで出ていることを褒めていた

 酒井宏 本当ですか? 監督からはもうダメ出しばっかりなので。珍しいですね。なかなかそういうのは言われないですけど。「もっとこう」「もっとこう」というのは常に言われていることなので。でもここ(マルセイユ)の監督にもすごく言われているので。言われることはすごく貴重なことですし、まだ伸びると思ってくれているんだと思うので、それは自分にとって大事な課題なので続けていきたい。

 -ダメ出しばっかりなのか

 酒井宏 基本、80%くらいはそうですよね。俺とか、蛍とか元気とか。むちゃくちゃ怒られているんじゃないですか。言いやすいっていうところもあると思うんですけど。

 -どういうことで怒られる

 酒井宏 戦術ですね。詳しくは言えないですけど。戦術で結構言われたり。たまにジョギングで後ろを走っていたら言われたりとか。そういうこともありますけど。でも、戦術のことはよく聞いていますね。

 -クラブと代表で結構やり方は違う

 酒井宏 違いますね。全く違うので。両監督とも、もちろんそれは分かっていると思いますし。ただ、ハリルさんに言われるのは、代表に来たら代表のことを考えて欲しいといわれます。それは当然のことだと思うし。クラブでしっかり立ち位置を張るっていうのは、このクラブを見れば分かると思うけど、能力が高い選手がたくさんいるので。一瞬気を緩めただけで(ポジションを)取られてしまう世界なので。しっかり続けていくことかなって思います。

 -マルセイユにとって欧州リーグの位置づけは。希望の対戦相手とか

 酒井宏 いやー、近いところがいいですね。どこでもいいですけど、これくらい(マルセイユから)近いと、移動時間が短いので。やっぱりリーグがきついので。今いい位置にいるし。(2位のモナコを)追いかけないといけない立場で落とせないので。それを考えると、欧州リーグも絶対に勝ち進んでいきたいので、ロシアとかはね、ちょっと行きたくないですけどね。

 -ミドルシュート、最後惜しかった

 酒井宏 ね、入ればよかった。

 -相手もリズムを落していたところもあるが、ああいう場面で決めたかった

 酒井宏 意外に(シュート力を)持っているんですけどね。出せないだけで、出すシーンが…。今日の場合は僕のマークしていたDFがあそこまで戻ってくれたので、ついていくことが出来た。普段、あそこまでリスクを犯してあの位置にいるということはないが、あれだけ押し込んだ状態だったので。そういうチャンスがあるのなら狙っていきたい。

 -CKの時にセンターサークルで残っている。背が高いしなんで攻撃に参加しないのか疑問に思う

 酒井宏 僕は相手のカウンターを防ぐ要員。相手のカウンターを俺が全部止めろという。役割としては悪くない役割だし、僕よりヘディングが強い、背の高い選手はたくさんいる。あのペナルティーエリアの中の駆け引きというのは戦いなので、引っ張り合ったり、どうにかして審判に見られないようにファウルをするか。そういうのは日本人がうまくないと監督は思っていると思うので、それだったら素直にカバリングのできる仕事、堅実なプレー出来るというのをかってもらっていると思う。

 -守備の時はもちろんだが、攻撃の時に下げられるのは残念だ

 酒井宏 ドイツのときからそうだった。日本代表の試合とかみててもセットプレーから入るのは少ない。海外はセットプレー一個で決まるし、試合展開がそれで変わってしまう。セットプレー強くなるのは大事かなと。強いチームはセットプレーも強い。

 -練習では

 酒井宏 練習では上がっているし、紅白戦でも上がっている。ただ、ヘディングが強ければいいと思っている。守備のヘディングも攻撃のヘディングも自分が勝てればいいし、自分のところで負けなければ、そういうネガティブな要素を与えなければ僕的にはOKなんで。あとはチームが勝ってくれればいいかなと。

 -リヨン戦はまた左か

 酒井宏 やんないと思いますけどね。トゥールーズで左やったので、ジョーダンも休みましたし。2試合ぐらいはやってくれないと俺も困る。逆に俺がでないとかね、サールとか、ローテーションなんす。でたらがんばります。ま、代表もあるんで。

 -ローテーションは納得している

 酒井宏 このくらいのチームになれば、まあしょうがないかなと。しかも出ている選手達もクオリティーは高いので。そこはもう納得せざるをえない。出た時に良いクオリティーのプレーをすることを考えているし、出ない時はしっかりと体を休めることを考えている。(山本孔一通信員)