Rマドリード3連覇王手、ジダン監督「防衛したい」

 レアル・マドリード(スペイン)がバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)と2-2で引き分け、2戦合計4-3で3年連続で決勝進出を決めた。

 第1戦でDFカルバハルが負傷したRマドリードは、右サイドバックにミュンヘンで穴を埋めたMFバスケスを起用。また、カードをもらっているMFカゼミロを外してMFコバチッチを先発に送り出した。肩を痛めたMFイスコの代わりには、得点欠乏症に陥っているFWベンゼマを送る。

 ユベントス戦の悪夢を繰り返さないためにもしっかりとした堅固な守備を見せたいRマドリードだが、開始3分に失点をしてしまう。右クロスをDFセルヒオラモスが甘いクリアをしてしまい、ロストボールになったところをDFキミヒが飛び込んでゴールを決める。

 盛り上がる5000人のBミュンヘンサポーター。だが、その喜びは長く続かなかった。11分、コバチッチのサイドチェンジからDFマルセロに。ブラジル人DFがクロスを送るとファーサイドでDFアルダのマークを外していたFWベンゼマがフリーで頭に合わせてゴールを奪う。

 後半開始早々、Rマドリードが追加点を奪う。しかもBミュンヘンからのプレゼントだった。再開直後、DFトリッソのバックパスをなぜかGKウルライヒがスルーしてしまい、拾ったベンゼマが無人のゴールに流し込み、2点目を奪った。後のないBミュンヘンはパワープレーでプレッシャーをかけRマドリードゴールへと迫っていくが、GKナバスが最後の壁として立ちはだかり続ける。

 だが、後半18分にMFロドリゲスが古巣相手にきつい恩返しをする。自分のシュートのセカンドボールを拾い、利き足でない右足でゴールへと流し込んだ。このゴールはBミュンヘンに逆転決勝進出を信じさせるもので、残り30分は本当にひとつのミスも許されない緊張感ある戦いとなっていく。

 ロスタイムの5分、実際に8分まで続いた戦いは最後にMFミュラーが飛び込見ながらあわせることが出来なかったプレーで終了。Rマドリードが苦しみながらも3年連続の決勝進出を決めた。

 ジダン監督は「あとは決勝だけが残っている。自分たちが達成したものは普通ではないし満足している。けれど今自分たちのすべきことは決勝で勝つこと。自分たちのタイトルをどんな形でも防衛したい。カリム(ベンゼマ)のパフォーマンスにうれしい。とても満足している。けれど何も変わらない。彼はいつも仕事をしている。今日は彼のゴールで決勝に進出した。サポーターは愛情を彼に注いでいた。今日は偉大な選手であることを証明した」とコメントした。

 そう話した一方で、指揮官は鉄壁の守りを見せたGKナバスを称賛。「ケイラーのパフォーマンスに満足している。GKは今日のような試合でフォーカスされるし、大きな試合でセーブをしてくれる。後半、彼のセーブでチームは救われた。命を与えてくれたし、彼のパフォーマンスを喜んでいる」。殊勲のナバスは「とても幸せだ。神様に感謝しないと、本当に難しい試合だった。すごいチームとの試合でたくさん苦しんだ。決勝進出、それは自分たちが望んだものだ」と満足そうだった。(山本孔一通信員)