Cロナのユーベ移籍がW杯逃し失意のイタリア救う

6月、W杯ロシア大会 1次リーグポルトガル対スペイン 後半、ポルトガルFWロナウドはFKで3点目のゴールを決め喜ぶ(撮影・PNP)

 ポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナウド(33)が“カルチョ”を救う-。ユベントスがレアル・マドリードからロナウドを移籍金1億ユーロ(約130億円)、4年契約で獲得した。60年ぶりにワールドカップ(W杯)出場を逃したイタリアでは世界トップ級のスーパースターの加入を歓迎。セリエAの存在感が再認識され、競争力アップでイタリア・サッカー界が輝きを取り戻すことが期待されている。一方で、これをきっかけに移籍市場も一気に動きそうだ。

 ロナウド加入にイタリアがわいている。10日(日本時間11日)に正式発表されると、ユベントスの公式ストアには背番号7のユニホームを求めて長蛇の列ができ、オンラインストアは注文が殺到して一時ダウン。やはり人気は絶大だ。11日の伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトは「イタリアがW杯ロシア大会に出なかった寂しい夏に、うれしい大ニュース」と報じている。

 同紙は「我々のサッカーはロナウド(ブラジル)やマラドーナがプレーしていた時のように再び世界で注目される」とし、インテルミラノやACミランなどビッグクラブが対抗して大型補強をすると予想。スポンサーもそれに同調するはずだとしている。セリエAのレベルの低下がイタリア代表の混迷につながったとされる中で、ロナウドが救世主になるというわけだ。

 ロナウド本人はRマドリードの公式サイトで「新たな時代を開く時が来たと考え、クラブに移籍を受け入れるようにお願いした」とコメント。以前からペレス会長との不仲が取りざたされ、欧州CL3連覇を果たした5月26日に移籍を示唆していた。欧州CL優勝のためならレアル残留の方が有利だろうが、未知のセリエAに新天地を求めた。

 ユーベの面々も大喜びだ。レアル時代に同僚だったケディラは「また一緒に仕事をするのが待ち遠しい」。クアドラードは「君は最高のクラブに入ることになる」とメッセージ。昨季までつけていた背番号7はロナウドに譲るという。W杯決勝翌日の16日にトリノで記者会見が行われる予定。

 ◆クリスティアノ・ロナウド 1985年2月5日、ポルトガル生まれ。スポルティング(ポルトガル)でプロデビュー。03年夏からマンチェスターUに移籍。09年夏に当時世界最高額の移籍金9350万ユーロ(約122億円)でRマドリードに加入。欧州CLは3連覇を含む通算5度の優勝を経験。18-19年シーズンからユベントスに加入。ポルトガル代表では16年に欧州選手権を制覇。185センチ、80キロ。