長谷部、EL決勝進出逃すも「チームへ誇り感じる」

PK戦でチェルシーに敗れ、肩を落とすフランクフルトの長谷部(左から2人目)(ロイター)

<欧州リーグ:チェルシー1(4PK3)1フランクフルト>◇準決勝◇9日◇ロンドン

MF長谷部誠(35)が所属するフランクフルト(ドイツ)は、アウェーで優勝候補チェルシー(イングランド)に、1-1で90分を終えて2試合合計2-2からPK戦までもつれ込み、3-4で敗れて前身のUEFAカップ時代の1979-80年シーズン以来の決勝進出を逃した。

決勝進出が絶たれた。最後のキッカーとなった相手FWアザールが決めるのを見届けると、長谷部は両膝に手を置いて下を見つめた。長谷部は「サッカーは残酷だなという思いはある」。2試合合計210分を戦い、優勝候補と互角に戦った。だが、決着をつけたのは運の要素もあるPK戦。率直な気持ちを口にした。

準決勝の2試合はリベロではなく、ボランチとして出場した。0-1の後半4分には、浮き球の縦パスで同点弾を演出。守備でも前半24分に、ゴールライン際のボールを左足で跳ね返して死守。決勝をかけた大一番でも攻守で存在感を見せつけた。試合後に「もっとうまくなりたいと思える試合はなかなかない。本当に楽しかった」と言った。格上相手に互角の勝負が出来たからこそ、酸いも甘いも知る35歳のベテランでも刺激を受けた試合となった。

今大会で、インテルミラノ(イタリア)、ベンフィカ(ポルトガル)など、欧州トップレベルのリーグの名門クラブを撃破しての快進撃にサポーターも選手らを敗者としてではなく、英雄として迎え入れた。決勝進出がかなわなかったが整列する選手らを拍手で出迎え、マフラーを広げて応援歌を贈った。歌い終わると、拍手やガッツポーズで感謝を伝え、「チームへの誇りも感じる」と話した長谷部ら選手たちもサポーターへ拍手で応えた。

欧州リーグでの旅路は終わった。だが、4位につけているリーグ戦では来季の欧州リーグ出場権獲得(4位以内)という大仕事が残っている。長谷部は「(残り)2試合をしっかりと戦い抜かないといけない。全部を出し切りたい」。リーグ戦ではここ4試合2分け2敗と足踏みをしているが、最高のサポーターを背に残り2試合を戦い抜く。