久保建英の最年少伝説 次は代表で書き換える

バレンシア対マジョルカ 後半、途中出場でスペインリーグデビューを果たすマジョルカ久保建英(右)(撮影・PIKO)

<スペインリーグ:バレンシア2-0マジョルカ>◇第3節◇1日◇バレンシア

スペイン1部のレアル・マドリードからマジョルカへ期限付き移籍した日本代表MF久保建英(18)が1日(日本時間2日)のバレンシア戦でリーグ戦デビューを果たした。後半34分から右サイドでプレー。加入決定からわずか10日で出場機会を勝ち取り、欧州4大リーグの日本人最年少出場記録を打ち立てた。今日3日にも帰国し、日本代表に合流する。幾多の年少記録を塗り替え続ける18歳が、いよいよワールドカップ(W杯)に向けた挑戦を始める。

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18歳がまた、新たな1歩を刻んだ。2点を追う後半34分。背番号26の久保に最後の交代枠が与えられた。J1FC東京時代に主戦場だった右サイド。ファーストタッチから積極的に仕掛け、狭いコースを通すパスを送った。味方とポジションが重なり、パスはなかなか入らない。加入からわずか10日で連係はまだまだこれから。ロスタイム含め約15分のほろ苦いデビュー戦。クラブ広報は「長い時間出ていないし、何もしていないから」と久保を取材対応させなかった。ただ、スペインのピッチで確かな1歩を踏み出した。

スペイン、イングランド、イタリア、ドイツの欧州4大リーグでは日本人史上最年少となる18歳2カ月28日での出場だった。15歳でバルセロナ下部組織から帰国して以来、数々の記録を打ち立ててきた。Jリーグの最年少出場、ルヴァン杯での最年少得点…。その勢いは日本を飛び出してなお、とどまるところを知らない。

今日3日にも帰国し、日本代表に合流する。6月に続く2度目の招集となったA代表でも、未踏の域に踏み込む可能性は十分だ。10日のW杯アジア2次予選のミャンマー戦(アウェー)に出場すればW杯予選では日本代表史上最年少となる。さらに、国際Aマッチでの日本代表最年少ゴールの達成には、まだ1年以上もの猶予がある。Rマドリードのジダン監督が残留を望んだとされる潜在能力。まだまだ底が見える気配はない。

当の本人は記録など、どこ吹く風だ。むしろ「年齢のことをよく言われますけど、自分は(聞かれるのは)あまり好きではない。ピッチに立てば関係ない」と言っている。過去の記録より、年齢に関係なく目の前の相手に勝つ。その揺るがぬ姿勢が新たな歴史を生み続ける。

主戦場である日本代表の2列目は最激戦区だ。MF堂安、南野、伊東-。今回は招集外の香川らもいる中で、しのぎを削ることになる。あのRマドリードでも、若くしてプレーで評価を得た。今回もあくまで挑戦者という立場から、森保ジャパンに新たな力をもたらし、最年少記録で日本の進むべき道を切り開く。【高橋智行通信員】

◆久保が持つ主な最年少記録

☆Jリーグ最年少出場 東京U-23の一員として、16年11月5日のJ3リーグ第28節長野戦に出場。15歳5カ月1日。

☆Jリーグ最年少得点 東京U-23、17年4月15日J3リーグ第5節C大阪U-23戦でゴール。15歳10カ月11日。

☆ルヴァン杯最年少得点 東京で、18年3月14日の同杯新潟戦の後半31分にゴール。16歳9カ月10日。