岡崎、ファン2000人盛大入団会見「走り、戦う」

ウエスカのホームスタジアム、エル・アルコラスで入団会見を行い、ユニホームをまとった岡崎

スペイン2部ウエスカへの入団を果たしたFW岡崎慎司(33)が12日夕方、ホームスタジアム、エル・アルコラスの記者会見場で入団会見を実施した。

岡崎は7月30日、契約満了したイングランドのレスターからウエスカと同じスペイン2部のマラガへの移籍が決定したものの、クラブのサラリーキャップ制(移籍金の減価償却費及び選手年俸)の問題でリーグ戦が開幕してからも選手登録されない日々が続き、移籍期間最終日の9月2日に契約解除に至っていた。

岡崎はウエスカ史上初の日本人選手で大注目を浴びており、多くの報道陣が集まった。実際、スペイン紙アスも、クラブ史上最も盛大な入団会見になることをこの日の朝に報じていた。

ウエスカの選手として最初の記者会見に臨んだ岡崎。クラブのマヌエル・トーレスCEOとともに出席し、「こんにちは。僕はこの町や食べ物、雰囲気、そして何よりもこのチームを気に入っています。ここにいることができてとてもハッピーです」とまず英語とスペイン語を交えてあいさつを行った。その後、岡崎は英語で質問に答え、途中から日本人記者が間に入り、スペイン語と日本語の通訳を行った。

-ウエスカでの目標について

岡崎 ここに来るまで、ウエスカのことは知りませんでした。でも、ここにいる人たちのことを気に入っています。マラガで1カ月を過ごし、ウエスカはマラガとはまた違いますが、僕はスペインが好きです。

-サッカー面での目標は

岡崎 僕たちは1部に昇格することを望んでいますし、僕たちにはそれができるはずなので、トライしていきます。チームのためにできる限り頑張りたいです。

-チームのリーダーとなる覚悟があるか

岡崎 チームのリーダーになった経験はこれまでありませんでした。でも僕にはイングランド、ドイツでプレーしてきた経験がありますし、いつもチームのために尽くしてきました。チームのためにゴールを決めていけたらいいですね。

-ウエスカで最も注目される選手になることについて

岡崎 僕自身、そういう歓迎を受けたことがないので、すごく興奮していますし、逆にそういう期待に応えなければいけないというプレッシャーも今はあって、その期待に応えたいという強い気持ちが今あります。

-マラガで難しい時期を過ごした後、フリーになってウエスカに入団したことについて

岡崎 1カ月マラガににいたっていう経験は、まずスペインを知るということで大きかったと思います。マラガでプレーできなかったことは残念ですが、今はスペインでデビューできたので、誰のことも恨んでいません。ただ自分のプレーにのみ集中していますし、ウエスカでプレーすることだけに集中しています。

-いつウエスカに移籍するチャンスを知った

岡崎 移籍市場終了の1週間くらい前に興味を持ってくれているという話があったので、あとはどのタイミングでマラガなのかウエスカなのかということがありましたが、自分自身、どちらに行くということよりも、自分自身のプレーだけに集中しました。

-自分をどのような選手だと思うか

岡崎 FWなのでゴールに対し、ゴール前で力を発揮できる選手だと思っていますし、それにプラスしてチームのために走り、戦うことができると思っています。

-ウエスカでデビューした時のスタジアムやサポーターの雰囲気について

岡崎 ファンが1つ1つのプレーにすごい興奮していたので、すごく好きな雰囲気でしたし、自分がデビューする瞬間もたくさんの人々が拍手で迎え入れてくれたので、素晴らしい雰囲気だったと思います。

-日本代表及び五輪代表について意識しているか

岡崎 そのことは全く頭の中にはなく、とにかくチームでたくさんのゴールを決めること、そしてチームを1部に上げることが今の目標です。

-これまでドイツ、イングランドでプレーしてきたが、スペインとの違いについては

岡崎 まだ練習して1カ月くらいしかたっていないので、正直分からないこともたくさんありますが、ボールをつなぐスタイルが2部でもすごく浸透しているというのを感じています。また違ったコンパクトなサッカーが90分間続くので、ゴールを決めるのもなかなか難しいと思いますし、その中でプレーできるのは違った経験なのかと思います。

-香川選手と距離(サラゴサとウエスカの距離は約75キロ)が近いがもう会ったか

岡崎 まだ1回も会っていないです。連絡は取っていますが負けられないです。

岡崎は入団会見後、背番号12のユニホームをまとい、ホームスタジアム、エル・アルコラスでファンに向けて初お披露目された。岡崎は約2000人のファンの大声援を受けたが、その中には日の丸の旗を掲げるものもいた。ボールなどをプレゼントし、写真撮影やサインを求めるファン、特に子供たちに最後まで笑顔で応えていた。そのスタンドの雰囲気は岡崎への期待が非常に大きなものであることが伝わった。

すでに8日のスポルティング・ヒホン戦で途中出場からウエスカでの公式戦デビューを飾っている岡崎はこの後、14日にアウェーで行われるヌマンシア戦で初スタメン出場を目指し、ウエスカの1年での1部リーグ返り咲きを助ける役割を求められることになるだろう。(高橋智行通信員)