鎌田久々出番でハット「今日に懸けていた」一問一答

前半12分、先制点を挙げ祝福されるフランクフルトMF鎌田(左)(ロイター)

<欧州リーグ:フランクフルト4-1ザルツブルク>◇決勝トーナメント1回戦◇20日◇フランクフルト

フランクフルトMF鎌田大地(23)が欧州リーグのザルツブルク戦でハットトリックを決めた。チームも4-1で勝利した。同リーグではリバプールMF南野拓実以来日本人選手2人目の快挙となった。

鎌田は3トップの右でスタメン。前半12分に右サイドのトゥーレからのパスをエリア内フリーで受けて右足で先制ゴール。GKの股間を抜けて決まった。

同21分、ソウからのスルーパスでセンターラインから抜け出すとそのままドリブルで持ち込む。相手DFを切り返しで外し、飛び出してきたGKにループシュートでゴール。後半8分には左サイドからのクロスを、ゴール前フリーでヘディングシュート。相手DFに当たって少し方向が変わったボールがそのままGKの逆を突いてゴールに入った。

鎌田の一問一答は以下。

-完勝です

鎌田 (失点)ゼロで終われれば一番よかったですけど、チームの出来はすごく良かったと思うから、よかったなと思います。

-ハットトリックを決めましたが

鎌田 ケガで出遅れてたのと、なかなか試合にも出られていなかったので。今日よくなかったら、また時間かかるだろうなと思っていた。今日が勝負だなと思っていた試合で、結果残せて、ほっとしています。

-ヘディングのゴールは珍しいのでは。

鎌田 プロ2年目にヘディングでアビスパ(福岡)戦で点入れたことありますけど。ラッキーだったというか。今年は厄年も重なって、いいスタートが全く切れてなかったので、どうにかして自分で流れを変えたかった。本当にすごく大きな、僕にとっても、チームにとって大きなゲームだったかなと思います。

-1点目のところ、いい形でもらってしっかり決めていたが

鎌田 去年は、ああいう同じシーンがあっても、GKの足に当たってバーに当たったりだとか。別に何か変えてるつもりはないですけど、アンラッキーな部分が去年はとても多かった。本当にあれが入って自分の中でうまく吹っ切れたというか、1点入れるとね、複数得点できることも結構多い。気持ちの面ですごく楽になったと思います。

-2点目は相手の動きをちゃんと把握して、振り向いて確認しながら狙い通りのゴールだったか

鎌田 こっちの選手に比べて、フィジカル面というか、足も速くない。追いつかれるなと思っていたので、うまくキックフェイントでかわせた。最後少し浮かせたというか、最後の最後まで冷静になれてたというのはすごく大きかった。

-右ウイングというポジションについては

鎌田 守備の時だけ右ウィングで攻撃はほとんど中に入ってたんですけど。ちょっと変則というか、攻撃の時は真ん中に入ってきて、10番のポジションしたり。いままでと違う変則的なフォーメーションにはなったかなと思います。

-前半戦の時と比べてフォーメーションが変わってきて、その中で自分が担っている役割というのは

鎌田 もちろん今うちは守備から攻撃というのはすごく大事にしている。プレッシャーも、全速力で、スプリントでいって、というのをやっている。前半戦もチームとしてやろうとしていましたけど、疲れがあったりとか。今、またチームとしてフレッシュして、まあ勝ててもいるので、チームとしてやっていることがすごくハマっている。みんな走れているし、チームとしてはまず守備から攻撃、そして速いカウンターっていうのをやっている。自分もフィジカル面で難しい部分はありますけど、チームとしてやることをやらないと試合に出れない。自分が持ち味のボールを奪われなかったり、上手く裏に出したりとか、さらにプラスアルファで出していかないとダメかなと思います。

-ケガなどで出場機会がなかった中、どう自分をコントロールしていたのか

鎌田 あれだけ使われなかったことは、僕自身、なぜって、まあ、疑問がすごいあった中で、ただ、こう、サッカー選手なので、文句だとかこう、愚痴だけじゃなくてね、出た時にピッチで表現できないとダメだと思った。まあ、そのチャンスがきた時に、ってことだけを考えていた。昨日の時点でスタメンのメンバーはわかっていた。昨日からしっかりメンタル面だったり、まあ、入り込みすぎるのは良くないですけど、すごい本当集中した。今日に懸けていたのであのー、ひとつこう…難しい山を越えられたというか、まぁやっぱり海外に来て思うのは、どんだけ良くてもね、時の流れの早さだったり、まぁ数試合でコロッと(評価が)変わってしまう。僕自身も1年目は(チャンスを)ものに出来なかったですけど、今は自分が出たら自信もあるし、気持ちの面で、かなり成長できたかなと思います。

-(スタメンから)外された時のメンタルコントロールができるようになったのか

鎌田 うまくというか…まぁ元々小さい時からうまくいってるサッカー人生じゃない。中学校の時から鍛えられてきた。エリートで来ていない。1年目来た時もうまく行かなかったけど、我慢できたと思うし、我慢できる力っていうのは、他の人よりは強いのかなって思いますけど。

-(鎌田がピッチから引き揚げる際に持っていた)そのボールはどこに飾るのか

鎌田 いや、初めてハットトリックしたんで、まぁどうなんですかね? 子どもとかが蹴ってそうですけどね。飾るつもりとかは全然ないです。親とかにあげたら喜ぶかも知れないですけど。海外から日本に持って行くのはちょっとめんどくさいので。決めてないです。

-オーバーエージの記事があった。(日本代表の)森保監督とどんな話をしたのか

鎌田 まあ、あのー、特に話はしてないです。

-この得点感覚をブンデスに

鎌田 リーグではアンラッキーな部分が多かったと思うし、後半戦は巻き返せればまた印象も変わって来る。終わりよければ全て良しって言いますけど、前半良くて後半戦落ちるより、後半戦上がってきた方が印象的にも良い。しっかり切り替えて。毎試合僕自身にとっては大事な試合になると思うので、集中してやっていこうと思います。(中野吉之伴通信員)