久保がレアル愛語る「そのために励んでいる」

3月、エイバル戦でゴールを決め、喜ぶマジョルカFW久保

今季、レアル・マドリードから期限付き移籍しマジョルカでプレーした日本代表MF久保建英(19)が7月31日までに、サッカー専門誌フランス・フットボールのインタビューに答え、最終目標はRマドリードのトップチームでプレーすることだとあらためて語った。来季の新天地に注目が集まる中、伝統の最優秀選手賞「バロンドール」を選出し、授与するなどしてきた権威ある雑誌で、スペイン1年目のシーズンについても語った。

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注目の久保が、欧州で権威あるフランスの専門誌で語った。マジョルカで存在感を発揮。スペイン1年目を終えた。インタビューでは、所属元であるレアル・マドリードへの思いをあらためて口にした。「目標はRマドリードでプレーすることだとずっと言ってきた。そのために励んでいるし、今後、何が起こるか分からないけど、ベストを尽くしている」と、日本人が誰も経験したことのない挑戦の道を歩む心境を語った。

新型コロナウイルス感染拡大で、中断を挟む異例のシーズンとなった今季、残留争いするマジョルカで存在感を放ち、インパクトを残した。4ゴール4アシストと、まずまずの数字も残した。奮闘むなしくチームは1年で2部降格。屈辱を味わうことになったが、スペインでのプロ1年目は、本当に中身の濃いものとなった。「選手として、また人間として成長させてくれた。良い瞬間や悪い瞬間を共有した素晴らしい友人たちがいるし、マジョルカ島の人々の愛情をいつも感じていた。忘れられないシーズンだった」と振り返っている。

ひとたびボールを持てば、ハイレベルなスペインの1部リーグで、どんな強豪が相手でも、脅威となったドリブルについて聞かれると「今まで学んだことのすべて」と答えた。幼少期は朝8時から日が暮れるまでサッカー漬けになったこともあるという。努力で培ったと胸を張ることのできる最大の武器は「改善の余地がたくさんある。自分は先が長いので、それはいいこと」と、まだまだ進化できる手応えを持っているようだ。

来季も期限付き移籍で修行に出るとみられ、注目は新天地となる。スペインを中心に、欧州では久保を巡る報道が過熱しているが、当の本人は「世界最高のリーグの1つでサッカーができることが本当に好きなんだ。見て感じ取れるよね?」と冗談も交えて話しており、周囲の騒がしさを気にする様子はない。控えめな性格だと指摘されると「ピッチでは全く控えめではない。選手は自分を表現する必要がある。ピッチで控えめだったら、より大きく成長することはできないよ」と軽妙に返す余裕も。ピッチ外、雑誌の中でも、10代とは思えない存在感を放っている。

◆久保を巡る報道 マジョルカで強烈な印象を残した久保に対し、スペイン内外で多くのクラブが獲得に向けて動いていると連日、報じられている。スペイン紙アス(電子版)は7月29日「久保の入札でベティス、グラナダ、そしてオサスナが先頭に立つ」と見出しをつけ、ここに来て有力候補に急浮上したオサスナを含むスペインの3クラブの名を挙げた。早くから有力と報じられてきたセビリアは条件面が合わないため、事実上除外されているとも、同時に伝えている。レアル・ソシエダードや、ACミラン、ドルトムント、パリ・サンジェルマンなどの名も報じられている。