ナポリ、マラドーナ以来3度目のセリエA優勝「長い道のりだった」街には花火が上がり大歓声響く

<セリエA:ナポリ1-1ウディネーゼ>◇4日◇ウディネ

ナポリが、ディエゴ・マラドーナのいた1986-87年、89-90年シーズン以来、33年ぶり史上3度目となるセリエA制覇を成し遂げた。

アウェーでウディネーゼと引き分け、残り5試合で2位ラツィオとの勝ち点差が16となり、優勝が決まった。

今季得点王争いでトップを走るオシムヘンが1点を追う後半7分に今季22ゴール目となる同点弾を決めると、ナポリ市街、ウディネーゼのスタジアム内、そしてイタリア中の多くの場所で大歓声が巻き起こった。

ナポリにとっては“レジェンド”マラドーナ氏がけん引した2度の優勝以来のスクデット。ナポリのホームスタジアムは、20年11月のマラドーナの死後、「スタディオ・サン・パオロ」から英雄をたたえて「スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ」に改名されていた。前節、その本拠地での優勝こそ逃したが、アウェーでの勝利でも国中が沸いた。

「今季の成功の中でマラドーナの影響力を感じることができた」と振り返ったナポリのスパレッティ監督は、「ナポリのみんな、この優勝はきみたちのものだ」と付け加えた。

同監督は「人々が今日のこの瞬間を覚えていれば、人生の困難な時でも乗り越えられる。ナポリの人たちはこの歓喜を享受するに値する」とサポーターへの感謝の気持ちも込めた。

北イタリアのウディネにあるアウェースタジアムには1万1000人のナポリファンが訪れ、スタジアム外にも5000人のサポーターが詰めかけた。ナポリのスタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナの巨大スクリーンではこの試合のパブリックビューイングも行われた。

試合終了の笛が鳴ると、祝福するサポーターがピッチに乱入。ナポリではそこかしこで花火が上がり、騒然となった。

ナポリが破産宣告を受けた04年にクラブを引き継ぎ、3部リーグで再スタートを切った時のことを思い出していたデラウレンディス会長。本拠地スタジアムのファンに向かって「君たちはいつも私に『勝ちたい』と言っていたが、我々も勝ちたかった。そして今、ついに勝利することができた。みんなで一緒に勝ったんだ」と呼びかけた。そして「長い道のりだった」と感慨にふけった。

イタリアのサッカーの中心地であるミラノとトリノより南のクラブがリーグを制したのは、01年にローマがタイトルを獲得して以来のこと。ナポリの優勝は33年ぶりだが、2度の優勝の間隔がそれより長かったのは1983年に41年ぶりに優勝したローマだけだ。