モラス雅輝氏、オーストリア2部で日本人初のアカデミーダイレクターに、U18監督も兼任

SKNザンクト・ペルテンのアカデミーダイレクター兼U-18監督を務めるモラス雅輝氏(C)SKN St. Pölten lten

浦和や神戸でコーチ経験を持ち、現在はオーストリアブンデスリーガ2部SKNザンクト・ペルテンのテクニカルダイレクターを務めるモラス雅輝氏(44)が、今季から新たにアカデミーダイレクタとU-18監督に就任することが決まった。テクニカルダイレクターも兼任し、3つの要職に就く。日本人指導者が、欧州のプロクラブでアカデミーダイレクターを務めるのは初めてとなる。

今季から、ザンクト・ペルテンの育成部門が、育成方針や施設面、指導者レベルなどの条件を満たし、オーストリアサッカー協会から「プロクラブのアカデミー」として認定され、新たなスタートを切ることになった。そこで、国内外でプロのトップチームとアカデミーの指導者経験を持つモラス氏に「初代アカデミーダイレクター」の白羽の矢が立った。

1人3役の膨大な仕事量になるが、モラス氏は「アカデミーで選手が育つ環境をつくり、若い指導者も養成して、クラブに長期的なメリットをもたらすようにしたい。やりがいのある仕事で、素晴らしい機会が与えられたと思っています」と話す。幸い、トップチームとU-18の試合日は重ならないことが多いため、週末は両方の試合会場に出向くことになるという。

今後は、欧州のアカデミーの練習に、日本の強豪高校や大学で取り入れられている走力を鍛えるメニューの要素も取り入れていきたいと考えている。「こちらの考えに、今までやってみたことがないトライアルもしていければ」。

アカデミーの発展は、クラブの中長期のプロジェクトを担うテクニカルダイレクターの仕事にもつながる部分は多い。日本と欧州の現場を知り尽くすモラス氏が、ザンクト・ペルテンでどんなアカデミーをつくりあげ、選手を輩出していくのか注目だ。

◆モラス雅輝(まさき) 1979年(昭54)1月8日、東京生まれ。16歳でドイツへ留学。ドイツの指導者・クリストフ・ダウム氏に出会い、18歳で指導者の道へ。男女のトップチームや育成年代を指導。09年1月から10年まで浦和のコーチ、19年6月から神戸コーチを務め天皇杯優勝、ACL出場に貢献。21年からは再びオーストリアに戻り、FCヴァッカー・インスブルックで監督を務めた。22年7月にSKNザンクト・ペルテンのテクニカルダイレクターに就任。英語、ドイツ語が堪能。