<AFCアジアカップ(アジア杯):カタール2-1パレスチナ>◇決勝トーナメント1回戦◇29日◇カタール・アルバイトスタジアム
【29日アルホール(カタール)=佐藤成】イスラエル軍とイスラム組織ハマスがガザ地区で戦闘を続けているパレスチナ(FIFAランキング99位)が、開催国のカタール(同58位)に惜敗した。同国史上初の決勝トーナメント(T)進出を決めるなど、国民に希望を与えた勇者たちの快進撃が止まった。
試合を動かしたのは、パレスチナだった。前半37分、FWオデイ・ダバーが相手陣でパスをカット。ドリブルを開始すると自力で相手DF3人を引き連れて左足で逆サイドネットを揺らして先制した。地元のカタールサポーターが大半を占める会場は騒然となった。
しかし前半終了間際にセットプレーから失点すると、後半開始すぐにもPKから失点を重ねて、力尽きた。それでも試合終了まで格上相手に勇敢に戦い、大健闘した。
試合後、会見場に拍手で出迎えられたダブーブ監督は「開催国相手に良いゲームができた。できる限りのことはやった。とても誇りに思う」と振り返った。パレスチナ国民へのメッセージを求められると、神妙な面持ちで「サポートに感謝している。神の祝福がありますように」などと伝えた。
1次リーグの3試合と同様に、試合前にはセンターサークルに両チームが並び、ガザ地区の犠牲者に対して黙とうがささげられた。試合後、ペナルティーエリア付近でぼうぜんと立ち尽くしたガザ地区出身のDFマフムード・サレーに対して、カタールイレブンが次々と慰めに訪れ、カタールサポーターもエールを送っていた。大会を通じて、試合には各国のメディアが詰めかけ、その一挙手一投足に国際的な注目が集まった。