【欧州CL】セルビア代表コーチ喜熨斗勝史氏「冨安選手もチャンスある」故障再発ないことが条件

セルビア代表の喜熨斗コーチは世界トップクラスの選手を指導する

欧州チャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントが13日(日本時間14日)に開幕した。世界最高峰の戦いを前に、セルビア代表コーチの喜熨斗勝史氏(59)が見所を語る。今回は20日のPSV-ドルトムント、インテル・ミラノ-Aマドリード、21日のポルト-アーセナル、ナポリ-バルセロナの4試合

◆インテル・ミラノ-Aマドリード

両チームともに守備が固いイメージがありますが、今季の戦いぶりを見ると攻撃的に打ち合ってもらいたいと感じます。

インテル・ミラノは現在セリエAで首位を独走しています。FWテュラム、マルティネス、MFチャルハノール、ムヒタリアン、デマルコら能力の高い選手をそろえ、S・インザギ監督のアタッキングフットボールも浸透しています。

一方のAマドリードは、シメオネ監督が長年かけて浸透させた圧倒的な攻守の切り替えからのカウンターサッカーが特徴ではありますが、今季は攻撃陣の破壊力も特筆されます。モラタ、グリーズマン、コレアの3枚看板にコケ、ジョレンテらが絡む攻撃陣は高いクオリティーを保っており必見です。

この一戦はベースとして、インテル・ミラノが堅守速攻を武器とするAマドリードをどのように崩すかというテーマがあります。ただ、今回はAマドリードが守り、インテル・ミラノが攻めるという形だけでなく、攻め合ってもらいたいと強く思います。

今季は両クラブとも、守備だけでなく攻撃力もストロングポイントにしているからです。特に堅守速攻のイメージが強いAマドリードにおいて、攻撃のポイントとなるのはグリーズマンのコンディションです。グリーズマンは得点ランクだけでなく、アシストランク、得点+アシストのランキングでも上位につけています。この選手の動きが戦いの鍵を握ると思います。

◆PSV-ドルトムント

PSVは国内で首位を独走しており、FWデヨングを中心にフェールマン、バカヨコ、ロサノら多くの選手が得点に絡みます。デヨングが最もゴールを積み重ねてはいますが、個と言うよりもグループで戦う戦術で結果を残しています。ただ、1次リーグではそのサッカーがうまくハマらない場面が見られ、アーセナルに1位突破を譲る形になりました。オランダリーグで圧倒しているだめに、格上の相手との戦い方がどうなのか。そのあたりがポイントになるかと思います。

ドルトムントは1次リーグ6試合4失点、うち3試合は無失点という守備力が持ち味です。スイス代表のGKコペル、ドイツ代表DFズーレ、シュロッターベックが守備を引き締め、攻撃陣はドイツ代表FWフュルクルク、オランダ代表FWマレンがけん引しています。1月の移籍市場でマンチェスターUからサンチョが期限付きで復帰して戦力に厚みが出ました。マレンは古巣のPSV相手にどのようなプレーを見せるかも注目しています。

◆ポルト-アーセナル

ポルトのコンセイソン監督は現役時代と同様に熱血漢です。中盤にセルビア代表のグルイッチがいるので昨季は練習の視察にも行き、コンセイソン監督とも会話しましたが、熱く、ストイックな指揮官だと感じました。チーム全体も監督のそのようなスタイルに影響を受け、ストイックなサッカーをしています。ウェンデル、ぺぺ、カルドソ、マリオというDF陣が守備をコントロールし、前線はMFぺぺが攻撃にバリエーションを作り出します。CLでも自国リーグ同様のサッカーを披露してもらいたいですし、最近出場機会は減っていますが、セルビア代表のグルイッチがアーセナル相手にどこまでできるのかを見てみたいですね。

アーセナルは12月に入って調子を落としていましたが、1月下旬から国内リーグでクリスタルパレス、ノッティンガム・フォレストに連勝し、4日の首位攻防戦となったリバプール戦に3〇1で勝利。その後も勝ち続けリーグ戦5連勝中とチーム状態が上向いています。冨安選手は現地でも評価が高く、CLの1次リーグでも先発出場の機会があったので、コンディションさえ整えば決勝トーナメントでもチャンスはあると思います。アジア杯を戦った後の疲労、故障の再発がないことが第一条件で、最近2試合はベンチ外なので、彼のコンディションに注目したいです。

◆ナポリ-バルセロナ

両チームともチーム状態に加え、クラブのマネジメントに問題を抱えているように感じます。ナポリは11月にガルシア監督を更迭し、マッツァーリ監督を10年ぶりに復帰させましたが、その指揮官とエースFWオシムヘンの不仲がささやかれています。さらに、そのオシムヘンとMFアンギサがアフリカ選手権で離脱しており、疲労など、コンディションに一抹の不安を抱えます。

バルセロナも国内カップ戦でAビルバオに2●4、直後のリーグ戦ではビジャレアルに3●5で敗れました。その後のリーグ戦で4戦3勝1分けと持ち直しつつありますが、まだ不安定さは否めません。シャビ監督の今季限りでの退任が発表され、エースFWレバンドフスキにサウジアラビア移籍のうわさが出るなど、雑音が多すぎる。しかし、そのレバンドフスキがいて、ギュンドアン、トーレス、ペドリ、カンセロら豪華な選手層を誇ります。モチベーションを維持してマネジメントすれば普通に勝てるはず。選手が一丸となりシャビ監督の有終の美を飾れるように戦ってもらいたいなと思わずにはいられません。

◆テレビ放送 欧州CLはWOWOWが全試合独占放送&ライブ配信。欧州リーグは注目試合を生放送&ライブ配信する。