【欧州CL】Aマドリード、応援歌が響き渡る中、苦しみながらもホームで先勝 現地リポート

叫ぶAマドリードのシメオネ監督(ロイター)

<UEFAチャンピオンズリーグ:アトレチコ・マドリード2-1ドルトムント>◇準々決勝第1戦◇10日◇シビタス・メトロポリターノ

【マドリード=高橋智行通信員】アトレチコ・マドリード(スペイン)はホームでドルトムント(ドイツ)を2-1で下し、16-17年シーズン以来、7大会ぶりの準決勝進出に前進した。

Aマドリードは直近の公式戦10試合でわずか4勝と不安定な戦いが続いているが、ホームでは今季22試合を戦い、19勝1分け2敗と好調を維持。スペインリーグで4位につけている。今大会2人で11ゴールを決めているモラタとグリーズマンを前線に並べる3-5-2で戦った。

ドルトムントは先週末のシュツットガルト戦に敗れ、公式戦の連勝が5でストップし、ブンデスリーガは欧州CL出場圏外の5位。しかしアウェーではここ9試合負けておらず、20戦8勝9分け3敗という好成績を残している。攻撃陣にサンチョやフュルクルクなどを擁す4-2-3-1で臨んだ。

満員の観衆で埋め尽くされたスタンドがクラブカラーの赤、白、青で彩られ、「アトレティ!」の声援と応援歌が響き渡る中で試合がスタートした。

序盤、ボールをキープしたのは、ドイツから駆けつけた3000人以上のサポーターの後押しを受けたドルトムントだったが、Aマドリードは前線からのハイプレスを武器にチャンスを作っていく。

前半2分に中盤でボールを奪った後、左サイドに素早く展開してグリーズマンが逆サイドにロングパスを送り、モラタがゴールに迫ってシュートを打つが、惜しくもDFにブロックされた。続く5分、DFのゴール前でのミスパスをカットしたデパウルがそのままゴールに流し込み、先制点を記録した。

勢いに乗るAマドリードはその後も激しいプレスでドルトムントの自由を奪い、7分にグリーズマンのクロスからヴィツェルがテクニカルシュートを放つが、GKにファインセーブされる。さらに13分、今度はリノがオーバーヘッドでゴールを狙うもGKの正面を突いた。

劣勢だったドルトムントは15分過ぎに再びボールをキープし始め、サンチョやアデイェミの両サイドを使って反撃を試みるも、Aマドリードのハイプレスにてこずり、膠着(こうちゃく)状態が続いていく。そんな中、31分にジャンがチーム最初のシュートをヘッドで打つが枠を捉えられない。

いい流れをキープしたAマドリードはその直後の32分、相手のトラップミスをモラタがカットしてつなぎ、ゴール正面でパスを受けたグリーズマンが冷静に横に流して、リノが追加点をマークした。

その後、Aマドリードが後ろに引いたことで、ドルトムントはボールをつなぐも中に入れず、43分にマートセンがミドルシュートを放つが、GKにファインセーブされた。

Aマドリードは前半、ドルトムントに60%以上ボールを持たれながらもシュート数で圧倒し、前半を2点のリードで折り返した。

2点のリードを許したドルトムントはハーフタイムに中盤のテコ入れをして、後半がスタート。序盤からドルトムントがボールをキープする展開となり、ザビッツァーやフュルクルクが立て続けにゴールを狙うも、勢いなくGKにキャッチされる。

無理に攻めることなく守備に重点を置いたAマドリードは8分、モリーナにシュートチャンスが訪れるも、やや角度なくGKにセーブされた。

ドルトムントはボールを支配するものの、前半同様にAマドリードの守備を崩せず、両チームが次々と選手交代を行っていった。そんな中、Aマドリードは30分にグリーズマンのFKがファーポストに流れたボールをリノがインサイドで合わせるが、惜しくもGKに防がれた。

それまで大きな決定機を作れなかったドルトムントは36分、相手の縦パスをモリーナがカットし切れず、そのままゴール前にこぼれたボールをハラーが蹴り込み1点を返した。

Aマドリードはその直後、40分にコレアがGKとの1対1を迎えるも失敗。一方、ドルトムントは42分にバイノーギッテンスのシュートがアスピリクエタの頭に当たり、クロスバーをかすめて越えていった。

Aマドリードは終盤、3枚替えを敢行して逃げ切りを図るも、ドルトムントは最後の猛攻を仕掛け、アディショナルタイムの51分にブラントがヘディングシュートを放つが、クロスバーを直撃した。

Aマドリードは後半、弱気の姿勢を見せたことで苦しみながらも、2-1で先勝。アウェーの第2戦は16日に行われる。