【欧州CL】Aマドリード9シーズンぶり7度目の4強進出、バルサの猛攻止めた/現地通信員ルポ

<UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL):Aマドリード1-2バルセロナ>◇14日(日本時間15日)◇準々決勝第2戦◇エスタディオ・メトロポリターノ(マドリード)

【マドリード=高橋智行通信員】アトレチコ・マドリードが、バルセロナとのスペイン対決を2戦合計3-2で制し、2016-17年以来9年ぶりの4強入りを果たした。

わずか5日間で欧州CL準々決勝第2戦、国王杯決勝とビッグマッチが続くアトレチコ・マドリードは、バルセロナとの今季6回目の対戦に向け、オブラクとカルドーゾが復帰した一方、バリオス、ハンツコ、ヒメネスがけが、プビルが出場停止で招集外。センターバックに大きな問題を抱える苦しい状況下、シメオネ監督はこの一戦を考慮し、主力の多くを温存した3日前のセビリア戦からGKムッソ以外のスタメンを10人変更。システムは4-4-2で、直近の欧州CL18試合で20ゴールに関与(15得点5アシスト)と絶好調のフリアン・アルバレスが、今季終了後の退団が決定しているグリーズマンが前線でコンビを組んだ。

国王杯準決勝のリベンジおよび第1戦の敗北による逆転を目指すバルセロナは、ラフィーニャとクリステンセンがけが、クバルシが出場停止で欠場した。エスタディオ・メトロポリターノの芝の長さに不満を持っていたフリック監督はこの一戦に4-2-3-1で臨み、3日前のバルセロナダービーから先発4人を入れ替えた。ペドリとガビがダブルボランチを形成し、フェラン・トーレスがセンターフォワードを務め、レバンドフスキはベンチスタートとなった。

両チームが欧州CLで対戦するのは通算6回目(すべて準々決勝)。Aマドリードは3勝1分け1敗と勝ち越しており、過去2回(13-14年と15-16年シーズン)はともに勝ち抜きを決め、決勝進出を果たしていた。

試合直前に満員のスタンドがAマドリードのクラブカラーの赤白で染まり、南側ゴール裏に「このユニフォームのために闘え」の横断幕が掲げられ、熱狂的な雰囲気の中でスタートした。

わずか11日間で3回目となった対戦は前半、97年のアヤックス戦を最後にホームで戦った欧州CLの決勝トーナメントで無敗(21試合14勝7分け)を誇るAマドリードが後方で待ち構え、マドリードまで駆けつけたサポーター3000人の後押しを受けたバルセロナが右サイドのヤマルを中心に激しく攻める展開となった。

序盤から圧倒的にボールをキープし、ハイテンポでプレーしたバルセロナは、次々と決定機を作っていく。ヤマルが1分にGKムッソにファインセーブされるシュートをいきなり打つと、4分にラングレのバックパスをカットし、フェラン・トーレスのスルーパスから先制点を記録した。さらに9分、ヤマルのパスで抜け出したダニ・オルモがムッソとの1対1を迎えるが、セーブされた。

ハイプレスに苦しめられてミスを連発するAマドリード相手にバルセロナは攻撃の手を緩めず、24分にダニ・オルモのスルーパスをペナルティーエリア内で巧みにトラップしたフェラン・トーレスが追加点を奪い、2試合合計スコアで2-2の同点にした。その1分後に逆転のチャンスを得たが、フェルミン・ロペスのダイビングヘッドはムッソの好守に阻まれた。

防戦一方だったAマドリードは徐々に相手の速いペースに慣れていき、グリーズマンを中心に攻撃を組み立て、31分にシメオネ監督のプランが実を結ぶ。グリーズマンの鮮やかなパスでハイラインの裏を抜け出したジョレンテが右サイドを駆け上がり、ゴール前に入れたクロスをルックマンが合わせ、勝ち越し点を記録した。

バルセロナは失点に気落ちすることなく、それ以降も主導権を握るが、ヤマルが厳しいマークに遭い、3点目を奪えずに前半が終了した。

そして後半は、ルックマンやジョレンテでカウンターを狙う形でスタートした。

前半ほど守りづらさがなくなったAマドリードは、8分にフリアン・アルバレスの速攻からルックマンがシュートを打つが、惜しくも枠外。バルセロナはその2分後、ガビのシュートがブロックされた後、フェラン・トーレスがボレーシュートを決めるも、VAR確認後にオフサイドで取り消しとなった。

2試合合計3-3のゴールを目指すバルセロナはヤマルの個人技を活かして攻撃を続けるが、相手の5バックに苦戦し、追加点を奪えない。

Aマドリードが21分に疲弊してきた両サイドをリフレッシュするため、ジュリアーノ・シメオネとルックマンに代えて、バエナとニコ・ゴンサレスを投入すると、バルセロナもその直後にフェラン・トーレスとフェルミン・ロペスを下げてレバンドフスキとラッシュフォードをピッチに送り出し、ゴールを狙いにいった。

この交代で攻撃の流れを作ったAマドリードは、29分にゴール前の混戦からル・ノルマンがシュートを打つも、GKジョアン・ガルシアにファインセーブされる。

さらにグリーズマンとの交代でピッチに入ったセルロートが、32分にバルセロナの最終ラインの裏にうまく抜け出した際に後ろから倒され、オンフィールドレビュー後にファウルを犯したエリック・ガルシアが一発退場となった。

1点を追うバルセロナは数的不利の状況の中、アラウホを前線に投入してハイボールを使って果敢に攻めていくが、あと一歩及ばず、2年連続の準決勝進出を成し遂げられなかった。

Aマドリードは切れ味鋭いカウンター、チーム一丸となった粘り強い守備、ムッソの好守により、1-2で敗れたものの、2試合合計3-2で次ラウンド進出を決め、16-17年シーズン以来、9季ぶりとなる準決勝進出を達成した。

この後、18日にレアル・ソシエダードと国王杯決勝で今季最初のタイトルマッチを争い、今月下旬にスタートする欧州CL準決勝で、守田英正が所属するスポルティングとアーセナルの勝者と対戦する。

クラブとして欧州CLで7度目の準決勝進出。うち4度の4強を果たしたシメオネ監督は「バスでスタジアムに到着した時からサポーターの熱意を感じ、この対戦を勝ち進めるという気持ちが芽生え始めていた。選手たちには感謝を伝えたよ。私は監督として、彼らの情熱と自分たちの取り組みへの信頼に感謝している。土曜日に非常に重要な試合(国王杯決勝)があるので、これから休息を取らなければならない」と話し、安堵(あんど)した様子だった。