ブラジル・サッカー連盟が18日(日本時間19日)、ワールドカップ北中米大会(6月11日開幕)の代表メンバー26人を発表し、FWネイマール(34=サントス)がサプライズ選出された。左ひざの前十字靱帯(じんたい)を断裂した23年10月以来2年7カ月ぶりの復帰で、FWロナウドらに並ぶ同国最多4度目のW杯。イタリア人のカルロ・アンチェロッティ監督(66)から、史上最多6度目の優勝へ再建中のチームに招集されて歓喜した。ブラジルは1次リーグC組に入り、決勝トーナメント1回戦でF組の日本と対戦する可能性がある。
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国民待望の名が、アンチェロッティ監督の口から飛び出した。「ネイマール・ジュニオール、サントス」-。ファン公開で行われたリオデジャネイロの会見場は沸騰。応援歌の合唱も始まったお祭り騒ぎの中、名将は43秒間、次の選手に進まず余韻を分かち合った。ネイマールは自宅で家族たちと生配信を見守り、その瞬間、親友と抱擁。言葉にならない叫び声で喜んだ。
ビニシウス(Rマドリード)ラフィーニャ(バルセロナ)らアタッカンテ(攻撃陣)が順当に選出された後、かつてのセレソン=代表の顔で背番号10、同国最多の79得点(128試合)を誇る男が帰還。アンチェロッティ監督から昨年5月の就任後初めて呼ばれた。クラブでは中盤だが、W杯は中央寄りのFWとして起用される方針も示された。
「1年間、追いかけて評価してきて課題のフィジカル面に向上が見られた。優れた控え選手、ではなく、チームに貢献できる才能と仲間、国民からの信頼がある。(23年以来も)試す必要はなかった。90分フル出場するかもしれないし、出ないかもしれないし、PKを蹴るかもしれない。他の25人と同じだ。W杯でも重要な役割を果たすだろう」
苦難の末に滑り込んだ。23年10月の南米予選で左ひざの靱帯を断裂。1年を棒に振った。昨年1月に古巣サントス復帰も、W杯半年前の同年12月にも同じ左ひざを痛めて関節鏡手術に踏み切った。筋肉系の負傷やピッチ内外の小競り合いも繰り返してきた一方で、アンチェロッティ体制1位の5得点を挙げていた19歳のエステバン(チェルシー)や2位タイで2得点のロドリゴ(Rマドリード)が負傷で選外。カムバックの機運が高まっていた。
バルセロナ時代の欧州CL制覇&得点王の輝きは、今や昔。自国開催の16年リオ五輪で初の金メダルに導いた後、タイトルに飢えている。過去3度のW杯は4強1回と8強2回で、うち2大会で負傷。まだ34歳ながら集大成と位置付ける舞台でリベンジし「王国」を02年の日韓大会以来、単独最多6度目の頂点に導けるか。電撃選出は正解か失敗か…答えは大会後に出る。
ネイマールのW杯
▼14年ブラジル大会 22歳の時に地元で初出場。1次リーグでチーム最多4得点を挙げて準々決勝コロンビア戦を迎えたが、DFスニガのひざ蹴りを背中に受けて脊椎(せきつい)骨折で離脱。チームも準決勝でドイツに1-7で惨敗した。
▼18年ロシア大会 右足骨折から開幕10日前に実戦復帰。2得点1アシストで迎えた準々決勝でベルギーに敗れ、ベスト8止まり。
▼22年カタール大会 1次リーグ初戦で負傷。2試合を欠場した後の韓国戦で復帰して得点し、準々決勝クロアチア戦ではペレが持っていたブラジル代表の最多ゴール記録(77得点)に並んだが、PK戦の末に2大会連続8強敗退。3大会で計13試合8得点を記録。
○…ネイマール復帰で沸く一方、物議も醸している。今季のプレミアリーグで15得点8アシストの24歳FWジョアン・ペドロ(チェルシー)が悲劇の落選。アンチェロッティ監督は「リスト入りに値する活躍も、熟考と敬意を持って別の選手を選んだ。申し訳なく思う」と説明。ネイマールとの共闘が夢だった本人はSNSに「喜びも挫折もサッカーの一部」と記した。他にも元主将の41歳チアゴ・シウバや負傷中のミリトンらDFの主軸も選外となった。ブラジルは1次リーグでモロッコ、ハイチ、スコットランドと対戦。日本時間6月30日のラウンド32で日本とぶつかる可能性がある。