ケイン33歳2カ月29日でバロンドール初受賞「彼女は私の最大のサポーター」最愛の妻に感謝

バロンドールを受賞し、スピーチするケイン(ロイター)

70回目となった2026年「バロンドール」(フランス・フットボール誌選定)が26日にロンドンで発表され、男子はイングランド代表主将のFWハリー・ケイン(33=バイエルン・ミュンヘン)が初受賞した。

イングランド選手としては、01年のマイケル・オーウェン(リバプール)以来25年ぶり。選考対象となる25-26年は、クラブと代表合わせて65試合73得点という圧倒的な記録を残し、2位のキリアン・エムバペ(レアル・マドリード)、3位のラミン・ヤマル(バルセロナ)を退けた。

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どこまでも真っすぐな、ケインの生き様が表れたスピーチだった。

「特にキャリアの初期には、多くの浮き沈みを経験しなければなりませんでした」。有望な選手ではなかった。レンタル移籍を繰り返し、ケガにも苦しんだ。それでも心折れずにやり続けられたのは付き添ってくれる人がいたから。それこそ最愛の妻ケイトさんだ。

「11歳の彼女と出会って、ずっとサポートしてくれています」。ロンドンの小学校時代からの幼なじみ。05年に撮影された奇跡の1枚が残されている。ベッカムのスクールの開校イベントがあり、そこでベッカムの両脇に抱かれる笑顔のケインとケイトさんの姿だ。

「良い時も苦しい時もありました。彼女は私の最大のサポーターです。私自身よりこのトロフィーを求めていたことでしょう。じらされて待つ時間は苦しかったと思いますが、受賞できました。私自身が夢を達成するために、たくさんのことを犠牲にしていきました。ただあなたの協力、サポートがなければ絶対にここに来ることはできなかったでしょう」。会場で見守る愛妻に向けて語りかけた。

一途で地に足付いた男だからこそ、33歳2カ月29日での初受賞をつかめた。1970年代以降の初受賞者では、22年ベンゼマ(Rマドリード)の34歳9カ月29日に続く遅咲きだ。

「ここまで来られるとは多くの人が思っていなかったでしょうし、もしかしたら私自身も思っていなかったかもしれません」

10代から国際舞台で大活躍するエムバペやヤマルのような早熟のバケモノとは違う。「じっと時を待ち、懸命に努力する必要がありました。多くの場合、自分自身の心と戦わなければなりませんでしたが、それを乗り越え、自信と決意を示す必要がありました」。

愚直ゆえ試合では誰よりも懸命に走る。走行距離はイングランド代表でもチーム1、2を争う。信頼される人間だからこそ、ラストパスがケインに届く。

「最も私が言いたいのは練習することが成功につながる。それも誰も見ていない時に続けるということ。そして強い決意を持って、自分の力を信じること。それを続ければ夢はかなう。私がそうだった」

11分間に及ぶスピーチ。それはケインという男を余すことなく表現した、胸打つ一つの物語だった。

◆ハリー・ケイン 1993年7月28日、ロンドン生まれ。11歳だった04年にトットナムの下部組織に入団。トップチーム昇格後、レスターなどへのレンタル移籍を経てトットナムに復帰し、15-16、16-17年と2季連続でプレミアリーグ得点王。23年夏にBミュンヘンへ移籍すると昨季まで3シーズン連続得点王。イングランド代表でW杯に3大会連続出場中。18年ロシア大会で6ゴールで得点王に輝くと大英帝国勲章を授与された。国際Aマッチ125試合91得点。身長188センチ、86キロ。